第6章 ◎イヤな奴-雅紀-side
「…………」
収録が始まったっていうのに、
頭が全然回らない。いつも回ってないけど
体が熱くて、
あ、これやばいかもって思ったのは、
キッキングスナイパーの時だった。
靴紐を結ぼうとしてしゃがんだら、
「あっれ……」
立ち上がれなくなっちゃった。(笑)
「相葉くん?」
横にいた翔ちゃんが俺の異変に気づいて、
近づいてきた。
「どうした?大丈夫?」
誰が言ったのかは分かんないけど、
松潤あたりがスタッフに収録を中断させた。
「ってあなた、すげぇ熱いじゃん!」
翔ちゃんがすげぇ驚いてる。
うん。だよね。俺でも分かる
「…………もう…………ムリ、かも……」
そう言ったときにはもう意識は飛んでた。
このとき思ったことは、
ニノの言った通り嫌だったのかもしれない。
そんなの分かんないけど、
でも、ここまでなるってそういうことかな?