第4章 ◎一生のお願い
「あら、誰かと思ったら!ふふふ」
お母さんがあんなに嬉しそうにするなんて
誰からだろう……
そしたら、まさかのまさかの名前が出た。
「まーくん!」
ま、まーくん!?!!!え、ま、雅紀!?
すぐに電話をしてるお母さんに近づき、
足をバタバタさせる。
「あ、ちょっと待ってね………
あんたに用事があるんだって、急用みたい」
お母さんが電話を私にパスして、
すぐにそれを受け取り呼吸を整えた。
「……も、もし、もしもし」
〈ヒャハハ……なにそれ!〉
受話器から聞こえる特徴ある雅紀の声
「な、なに?」
〈あ、あのさ!俺の実家に今誰もいねぇの!〉
「うん……で?」
〈でね?至急いるもんがあるんだけど!
優しいちゃん持ってきてくんない?〉
とうとうパシりになったか、私も
幼なじみを通りこして'パシり'って
「嫌だよ。ここ千葉だよ?
東京まで持って行けって?」
〈ヒャハハ、だっよねぇ……〉
でも、この声に弱いんだよね。私
「ちなみに……なにを持ってくの?」
ほら、ひっかかっちゃった。