第2章 ◎動き出す時間
ガチャっ
「ただいま」
なんで熱くあんなこと言ったんだろう。
別に雅紀にはもう関係ないのに……
なんて靴を脱ぎながら考えてると、
お母さんがリビングから出てきた。
「おかえり!」
見るからに何か嬉しそうな、お母さん
「どうしたの?なんかあった?」
親切にもそう聞いてあげると、
バシバシと私の肩をお母さんは叩いて、
「いやね?まーくんが来たのよ!」
「……来たんだ」
少しその名前に体がピクッとする。
「もっと男前になっちゃって!
やっぱりテレビで見るより身長も高いし!
彼女も女優さんとかなんでしょうね~」
「…………かもね」
「ちょっと?」
私が少し下を向いてるのを心配したのか
お母さんが私の顔を覗く
「お風呂、入ってくる」
「う、うん」