第15章 ◎ワガママ
まーくんの暖かいぬくもりが
どうしても私の涙を止めなくて、
「、大丈夫?家入ろ?」
「うんん……ヒック……だめ」
酔いも冷めてきちゃって、
自分が今してることに恥ずかしくなりながら
まだ雅紀のことを抱きしめていた。
「、俺貪欲になれないよ」
「……うん、知ってるよ」
「……俺どうしたらいいんだろ」
こんな男を好きになったんだ。
でも、こんな男が好きなんだ。
これから自分がどうしていいかも、
どんな言葉をかけようか迷ってる、
そんな男の子にずっと恋してるんだ。
「……………まーくんは何もしなくていいよ」
「え?」
「もうたくさんワガママ聞いてもらったから、
私はもういいや。大丈夫………大丈夫だよ」
「帰る、の……?」
立ち上がる私にそう問いかける雅紀
「またね、幼なじみのまーくん」