• テキストサイズ

未完成なワルツ

第15章 ◎ワガママ




大きなマンションの最上階

そこはお城の塔みたいで、
きっと私は今、王子様を待ってる。

来なかったらずっとこのままだから。




「まーくん……まーくん……」

「え……!?」

「あ、まーくん……ヒック……だ」





目の前にはボヤけるけどまーくんがいる。
手を伸ばせば抱きしめてくれるかな。
今日くらいしてもいいかな?



そんなことを思いながら、
ゆっくり遠慮がちなその両腕を伸ばした。









「…?よ、酔ってるの?」

「うんん?酔ってないよ。ギューして?」




やっと言えた。
そっか。こんな顔するんだ、まーくん
こんな頬っぺたを真っ赤にしちゃうんだ。






「まーくん、ギュー」




そしたら優しく抱きしめてくれた。
これが私の欲しかったものだったんだ。
この温もりが欲しかったから、


涙が出てるんだ。









「………………まーくん、好き」
/ 137ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp