第3章 【R18/現パロ】お願い、捨てないで
リビングには洒落た装飾がされ、誕生日を祝う為の支度がされていた。
入口で立ち尽くすミケの背にさゆりがいた。
手には、前にワインを飲む時はバスローブだよねと言ったさゆりが、二人でお揃いと買ったバスローブを持っており、手渡してきた。バスローブを羽織ってリビングに入ればバスローブに隠すように持っていた袋を手渡してきた。
どんどん自分が惨めで情けなくなっていく。
ミケがアイコンタクトで開けていいのかさゆりに聞けば、彼女は頷いた。
袋を見れば、箱と包みが入っていた。
ひとつずつ開けると、財布や時計、手袋や、前に行ったテーマパークでミケが「可愛い」と好きになった、黄色い目玉モンスターが描いてある可愛い男性用下着が入っていた。
「財布と時計は欲しがってたでしょ。手袋とパンツはオマケだけど……誕生日、おめでとう。ミケ」
大したもんじゃなくてごめんね、と謝るさゆり。
ミケは手元から目が離せずにいた。
「さゆり、俺はてっきり……本当に申し訳ない、さゆりが浮気なんてするはずが無いのに、俺は……」
「帰宅が夜中になっちゃったのは本当に女の子の友達と話してて……その……アドバイスを貰って……」
口ごもったさゆりを見て「なんのアドバイスだ」と問えば、さゆりがボソリと呟いた。
「ふぇ、フェラのテクニックの……アドバイスを……」
「どうりで……」
罪悪感しかない。
こんなにひたむきに自分を想って準備していたさゆりを責め立て、出て行こうとした。