第3章 【R18/現パロ】お願い、捨てないで
「お前、何してた。今何時だと思ってる」
「……ごめんね、ちょっと友達と用があって」
「こんな夜中までか?いつもどこかに行くなら連絡をするお前が、何も告げずに、しかもよりによって俺がいない日に?」
ベッドの真横に立つさゆりに迫ると、さゆりはベッドに尻もちをついて座った。
ギシギシとベッドが軋む。
「ミケ送り出してからすぐ友達と買い物行って……買い物して友達の家で話してたら0時回ってて……ミケはまだ帰らないかもとは思ったから……ミケが居ない時に毎回こんなことしてる訳じゃないよ、たまたまなの、ごめんね」
逆光であまりさゆりの表情は見えないが、困惑しているのは声色で察することが出来た。
「楽しそうで何よりだ。で、買い物はどこに何を買いに行ったんだ」
「ね、ミケ、怖いよ……」
「いいから答えろ」
さゆりに言い放つと、さゆりは体を揺らした。
まずい、頭に血が登っている。だが、もう……。
黙っているミケに、さゆりは答えた。
「……言えない」
「……何?」
「けど、やましいことは何もしてないの、本当だよ、信じて、お願い」
さゆりがミケの空気を察してミケの手を掴むが、それをミケは振り払った。
「ミケ……?」
「そんなんじゃ納得は出来ない。今日はホテルに泊まる。友達なりなんなり呼んで仲良く過ごせ」
我ながら大人気ない。だが今は賢明な判断だ。
これ以上さゆりの前で怒りを爆発させては、それこそ別れの原因を自分から作りにいっているようなものだ。
ミケは寝室の扉に向かって歩き始めると、「待って!」と聞こえ、ベッドが軋む音がしてすぐに背中に何かぶつかった。