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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


side緑間


「真太郎大丈夫?疲れてるなら休んだら?」


帰宅して浮かない顔をしていた俺を心配して玲子が声をかけてくれた

玲子は本当に優しい女性だ。
本を選ぶために外出する準備をしていても俺の体調を気遣ってくれた

「そんなことはないのだよ。少しドライブしないか?」

「いいけど、真太郎本当に大丈夫?」

「大丈夫なのだよ」

少し笑って見せると嬉しそうに俺の手を取った


本当に暖かい手だ


車に乗って、音楽のボリュームを少し下げた


「なにかあった?」

心配そうに聞いてくる玲子にさっきのことをかいつまんで話した


「楽観的な意見を言えば青峰君を信じたいかな」

「俺も青峰を信じたい気持ちはあるが、今はまだ信じられるだけの根拠がないのだよ」

「私は、みさきちゃんが青峰君を好きになったら全力で応援したい。恋愛しないってずっと言ってるけどいつか好きな人ができたら絶対にその人と幸せになって欲しいと思うから、わたしはみさきちゃんの気持ち一つかな…でも青峰君が最初から遊ぶつもりなら…」

「おそらくそれはない。青峰が誰かを好きだと言ったのは初めてなのだよ。赤司の結婚式の時異性に対する好きという感情が分からないと言っていたあいつがはっきりとみさきが好きだと言った。おそらく青峰は本気だ」

「ならみさきちゃんの気持ち次第だと思う。青峰君ってあのときみさきちゃんを助けた人でしょ?
二次会で青峰君とみさきちゃんが話してるのが見えたけど青峰君を嫌ってるようには見えなかった。火神君と真太郎以外の男の人に笑ってるとこって初めて見た」


「やはり…話してよかったのだよ。みさきの気持ちが青峰に向くのなら俺も心置きなく応援できるのだよ」

「うん。そだね」

「新作のミステリーを欲しがっていただろう。それとケーキを買って家に帰ろう」


本屋に立ち寄ってから紫原がパティシエをしているカフェまで車を戻し、それぞれのケーキをテイクアウトした

玲子の言う通り、みさきの気持ち1つだ

俺が青峰を信じられる根拠が必要なんじゃない
みさきが青峰を好きになったらそれでいいんだ


歳上でも俺の前では可愛い顔をしてくれる玲子
医者としては俺よりも経験豊富で頼れる先輩なんだろうが、家では俺が頼られる主人でありたい



まだ日は高いが自宅でゆっくり過ごして今夜は玲子とディナーに出かけよう
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