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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


「あ、ああ青峰君、寝ぼけてるの!?」

「んなわけねーだろ。お前が勝手にどっか行くから寒くて起きちまったんだよ。今日は試合は夜なんだしまだ寝てていいだろ?」

結構普通に冷静ですね…

「でも大我ワークアウト行ってるし、朝ごはん食べると思うよ」

「あいつは自分でできんだろ」

そりゃ大我は高校からずっと一人暮らしだったし最低限のことはできるけど泊めてもらって何もしないなんて…

「でも大我も今日試合だから、昼間はゆっくり過ごさせてあげたいの。…ダメ?」

「チッ!じゃああいつが戻るまでここで休憩するからお前も来い」

ソファに寝転がってブランケットを広げて寝る気満々の青峰君。

いつもはあたしをからかいまくってるさつきと美緒が今日に限って黙ってる。


「みさき…大ちゃん呼んでるよ」

「青峰さん寒いんだって…」

何で今日に限ってこんなに大人しいの!?



「もう!行けばいいんでしょ!大我帰ってきたらみんなでご飯作るんだからね‼」

ソファに近づくと青峰君に引っ張られてソファの背もたれ側にあっという間に挟まれる。

「勝手にいなくなった責任は取ってもらうからな」

「だって青峰君ぐっすり寝てたんだもん」

「ベッドから出るときは起こせって言ってんだろ」

「疲れてるのに起こせない!」

「疲れてねぇよ。お前がいなくなって寒いせいで風邪ひいたらどうすんだよ」

フル出場して疲れない人間なんていないでしょ…

「今日は暑かったでしょ。だってお布団から足出してたもん」

「お前が暖房強くするからだろ」

「だって寒いって言ったじゃん!」

「最初の暖房とお前で丁度良かったんだっつーの」

「そんなの聞いてないっ!あたしは湯たんぽじゃないの」

「お前は俺の湯たんぽなんだよ」

そのあともなんだかんだと言い合って今日の夜からはあたしが勝手にベッドを出ないことを無理矢理約束させられた。

そんなに寒いなら暖房強くすればいいのに…
しかも人と寝ないって最初に聞いてたのに全然嘘じゃん…
もしかしてあたしは人として扱われてないの?

もう本当に湯たんぽでもいい。

だってこの腕に抱きしめられてるのが一番幸せな時間だから。

幸せをかみしめてあたしはまた眠りに落ちていく。
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