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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


side青峰

「よう。悪りぃな」

「結婚式に来てくれて感謝しているのだよ」

「久しぶりに楽しめた」

「それで、話と言うのは何だ」

午前中に済ませたいって連絡で10時に近くのカフェで待ち合わせてすぐに本題に入った

回りくどいのは性に合わねぇ

「黒須と知り合いなんだろ?」

単刀直入に聞いた言葉に緑間がピクリと眉間にシワを寄せた

「あぁ。だがお前の知らない友人がいても別に不思議ではないだろう」

「そーゆー事じゃねぇ。女を寄せつけないお前が“真太郎”って呼ばれるほど親しいのはどんな理由があんのか聞きてぇって事だ」

黒須が真太郎って呼んだことや、あの焦った顔、火神がおかしな言い訳で誤魔化そうとしたこと
どうでもいい女の事だったら知りたくもなんともねぇが黒須は別だ

「それを聞いてお前はどうする」

質問を質問で返してくる緑間の表情は変わらず険しい

マジで元カノか?

「別になにかするって事じゃねぇよ。ただ興味があるってだけだ」

「そんな気軽に交友関係をぺらぺらと喋るほど俺は軽薄な人間ではない。話がそれだけなら帰る」

緑間が席を立ったけど“はいそーですか”で引き下がるなら最初から呼び出さねぇよ


「好きだ」

店内の視線が集まるけど今はそんなことどうでもいい
アメリカに戻る前にはっきりさせてぇ


「貴様…俺のことが好きだと勘違いされるだろう!」

「もう会わねー奴に何思われたって別に関係ねーよ。今は黒須の話だ」


慌てて引き返した緑間に座れって視線を送ると何も言わずに席に座った


「俺は黒須が好きだ。だからお前を真太郎って呼ぶ理由が知りてぇ」

「…」

「誤魔化すなよ」

適当な言い訳で逃げるつもりだと察して先手を打つとデカい溜息が聞こえた


「詳細は俺からは話せない」

「チッ。…んだよ」

「だが、お前が今思っているような関係ではない。手短に言えば、うちの患者だ」

「は?」

「これ以上は言わない。みさきの名誉に関わることだ。俺の一存では喋らない」

言えないじゃなく言わない
喋れないじゃなく喋らない

ここまでだな…

緑間に続いて外に出ると最後にあいつの目が鋭く俺を見据えた

「みさきは誰よりも幸せであるべきだ。覚悟がないなら絶対に手を出すな。もし傷つけでもしたら、お前といえど容赦しない」
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