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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


みさきが風呂を用意してくれたから、いつもよりは少し長めに体を温めて、若干違和感のぬぐえねぇ肘を教わったようにマッサージした。

俺としては長くて30分は入ってたから、温まりすぎたと思ってリビングに入ろうとしたらみさきと火神が話してる声が聞こえて、盗み聞きなんてするつもりじゃなかったけど火神の言葉で部屋に入るのがためらわれた

「俺にとってお前はそんなに軽い存在じゃねぇ」

いや、引くって言ったくせしてやっぱ告りますとか言わねぇよなって次の言葉を待つと驚くことを話してた。

母親が死んだときのことや火神がNBAを目指して高2で渡米した後と思われる内容だった。

火神に母親がいないことはなんとなく分かってたけど離婚ってやつだと思い込んでた。
まさかそんな小さいときの死別だったとはな…
あいつが優しいのって多分人の何倍も辛いことを経験してるからなんだろうな。

そして高2の時にみさきが辛い状況だったってことも。

火神の話を聞いてほっとしたように自分も同じだとかみさきが話しだした時にさつきが来て俺を見てるから、喋るなと合図したら俺の横に立ってさつきもみさきの声に耳を澄ましてた。


「大我がいなきゃ死んでたもん」

聞いちゃいけねぇって思ってても知りてぇって気持ちが勝ってその場を動けなかった俺に、衝撃の言葉と胸を抉られた様な痛みを感じた。

比喩や大げさに言ってる感じじゃなく、事実だけを淡々と話す口ぶりにさつきを見ると目を閉じて泣きそうな顔をしてる。

さつきの顔…こりゃみさきの事情をこいつは知ってると思わせるには充分だった。

何でそんな話になったのか知らねぇけど、自分たちの関係は変わらないと言い切って、みさきを家族として愛してると言った火神にみさきも愛してるって返してた。

なんか、こいつらってすげぇ深いとこで繋がってる。傷の舐め合いなんて生ぬるい表現じゃなく、みさきが言ったように本当にお互いがお互いを片割れだと思ってる。

そんなに強い絆のところに入る余地があんのかと思う俺に、直後のみさきの言葉で心臓を鷲掴みにされて、一瞬止まったんじゃないかと思うほどの衝撃が走った


「青峰君をどうしようもなく好きって感じる感じるのとは全然違うけど大好きだよ」



………

あいつ今なんて言った?

思考は停止したのに心臓だけがものすごい速さで動いて、指先まで脈が伝わってくる
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