第11章 NBA
さつきと美緒の部屋にもお風呂はあるけど、ちょっと小さいからあたしたちはお風呂だけは大我の部屋のを貸してもらうことにした。
メインバスに男性用のバスローブを2つ持って行って、大我の部屋のバスルームに女性用の白のバスローブを3つ持って行く。
大我はバスローブに並々ならぬこだわりがあって、信じられないほどふっかふかのバスローブを専用のクローゼットにいくつも掛けてて、人が来てもいいように多めにおいてある。
大我曰く、バスローブをたたむなんて邪道。
ふわふわ感が全てだから保管するときは絶対ハンガーにかけて湿気は避ける。らしい
なんかこうやって大我の家にいると昔に戻ったみたいな気になる。
楽しいときも辛いときも苦しいときもいつも一緒にいてくれて、大我の前で感情を隠したことなんてなかった。
泣いた顔を見られるのは嫌いだったけど、大我の前ではよく泣いてていつも落ち着かせてもらってた。
あたしたちはずっと変わらないと思いたかった。
大我に彼女ができたらそれじゃいけないのかもしれないって心のどこかでは思ってたけど、それを言ったら一番の理解者を失うような気がして言いだせなかった。
でも自分が人を好きになってみて強く思った。
やっぱり大我には好きな人と幸せでいてほしい。
「ねぇ。もし好きな人とか彼女ができたら今まで通りじゃなくていいんだよ」
「は?なんだそりゃ」
「だってさ、あたしとハグとかキスとかしてるとさ嫌がる子もいるじゃん。だからもし彼女が嫌って言ったら、泊まったりキスしたりハグしたりするの無理にしなくてもいいよってこと」
「俺は変えたいと思ったことねぇけど、お前があいつを好きになったことでそういうのをやめてぇって言うならそれは構わねぇよ」
「え、あたし?あたしはやめようと思ってないよ。だって意味合いが全然違うもん」
「そんなら今まで通りでいいだろ」
「でもさ、前にこれが原因で大我別れちゃったじゃん」
「いや、違げーよ?確かにあいつがお前に言ったことが別れる意思を決定づけたけど、その少し前から、付き合ってることは正しくねぇって思ってた」
そうだったんだ…全然知らなかった。
大我は昔はちょこちょこと彼女がいた時期もあったけど、最近はもうずっといない