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最愛 【黒子のバスケ】

第11章 NBA


明日は3人でお揃いの格好で行くことにしてるからキャリーから服を出してハンガーにかけてクロークに並べるとなんか笑えてくる

あたしたちみんな身長が10センチずつ違う

美緒は171㎝
さつきは161㎝
あたしは151㎝

だから当然明日のお洋服も10センチずつ違う。

階段みたいで面白いってことでヒールの高さもみんなで合わせて並べてある。

美緒は24センチ
さつきは23センチ
あたしは22センチ

「足も1センチずつ違うしね。てかみさきのムートンが子供用だったのが一番ウケた!」

そうなの。あたしの足に合う大人用のムートンはこの世に存在しない。もしあったとしても今のところ巡り会えてないから子供用のムートンを毎年買ってる。

「笑わないで!でもいいこともあるんだよ。子供用は安いの。同じデザインでも子供用だとなぜかちょっと安いからそれだけは得してる」

「みさきってめちゃくちゃ稼いでんのにちょいちょいケチ出してくるよね(笑)」

「だってママがさ、無駄遣いしてるとすぐなくなっちゃうわよって言うから好きなもの以外は基本安物でいい」

多分あたしは親世代と比べても所得は多いけどその分仕事も多い。ずっとこんな風な働き方はできないし、高い税金も払わないといけないから好きじゃないものにお金は使わない。

「みさきが一番好きな物って何?」

「メイクと友達」

「じゃああたしたちの事好き?」

「大スキー‼‼」ってあたしが言うと二人があたしに突進してきてベッドに倒されて3人でじゃれて遊ぶ。

あーこのマットレスもいい感じ。


遊んでるうちにシャンパンが冷えたから3人で乾杯して東京の夜景をバックに写真を撮る。

「ちょっとテツ君に電話するー!」

「あ、繋がったらちょっと代わってほしい。お礼したいの!」

「あたしも!」


さつきが嬉しそうな顔でスマホをタップして耳に当ててる。


「あ!テツ君?お仕事中?」

………

「お疲れさま」

………

「今ねホテルで3人でシャンパン飲んでるの。すっごくおいしいから今度テツ君と飲みたい」ってちょっと頬を赤くして髪をいじりながら照れてる。

可愛い。素直に“テツ君と飲みたい”とか言ってるさつきはもうまさに恋する乙女。
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