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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「なーにそんなとこで真っ赤な顔して座り込んでるの?青峰さんのセクシーボイスで腰抜けちゃった?」

「ちょっと美緒笑わせないでよー。大ちゃんの声のどこがセクシーボイスなの?それを言うならテツ君の方がセクシーだよ!」

「悪いけど黒子君にセクシーさは感じない。当然涼太の方が色っぽいけど、初心なみさきは青峰さんの試合見て鼻血出すんだから声聞いて腰抜かすのだって全然ありそう」

本人のあたしが何も言ってないのに二人は面白がってペラペラとお喋りが止まらない。

腰なんて抜かしたことないけど青峰君の声が骨に響くのは確か。

NYで「起きろ」って名前を呼ばれた時耳がくすぐったいのと背骨から腰までびりびりと電気が通ったみたいにしびれた感じがした。


「てかみさき、ホントに大丈夫?また熱あるとか言わないよね?」

「…ない。けど熱出そう」

「ちょっとちょっとダメだよ!」

「だって青峰君が“待ってる”とか言うんだもん…ちょっと寝る。落ち着かないとフライト中に倒れる。ただでさえ興奮してるのに…もう心臓が疲れたって」

ぼそぼそと小さく喋ってやっとの思いで立ち上がってのろのろ寝室に入る。




「ねぇ。やりすぎた?」

「やりすぎたのはあたしたちじゃなくて大ちゃんでしょ?」

「青峰さんってドSでしょ?みさきがめちゃくちゃ恥ずかしがってるの分かってたよね」

「どっちかといえばSだと思う。でもみさきの反応可愛すぎじゃん?あたしたちだっていじめたくなるんだから大ちゃんからしたらもう我慢できないくらい可愛いくていじめるなって方が無理でしょ?」

「確かにそれは言えてる。まだまだ先の話なんだけどさ、みさきってこの程度であんなに恥ずかしがってて大丈夫なのかな?いざそういう事するってなったらあの子どうなるの?」

「えッ…それ考えたことないかも…気絶とかしないよね⁉自分の時どうだった⁉」

「あたし最初の人とのこと然っ全覚えてない。涼太の記憶しかないけど、恥ずかしいってのは当然あったよ。でも多分今のみさき程あからさまではなかったと思う。さつきは?」

「あたしもすっごい恥ずかしかったけど、気絶はしなかったしみさき程免疫ない訳じゃなかったからあそこまで露骨じゃないと思う」

「みさきって何してるわけでもないのに何であんな真っ赤で目ウルッウルなの?」

「「無自覚にエロいね……」」
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