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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


ガウンの下にルームウエアを着て部屋に戻ると紅茶が入れてくれてあってそれを飲んでたらいきなり護身術の話になって今から特訓することになった。

あの…今もう11時過ぎてるんですけど…

あたしの反論には耳も貸さずに色んな対処法を次々と教えてくれる。

「だから、お前は小さいからもっと全体重をかけるつもりでやらねぇと意味ねぇの。もっかいやれ」

「もうできない!」

「できなきゃ寝かせねぇぞ」

「意地悪!」

「意地悪で結構だ」

いつもは優しい青峰君が信じられないくらいスパルタで特訓してくる。


「そうじゃねぇって。そんなちんたらやってたら捕まっちまうだろ⁉もっと早く腕を引くんだよ」

もう腕の振りすぎで肩が取れちゃう。

それでも全然手を緩めてくれない鬼コーチにこっちも闘争心が湧いてきて最後の通しでの訓練は我ながらいい出来だった。

汗だくでその場に座り込むと青峰君がタオルで首と顔を押さえてくれてソファに座らせてくれた。


シャワーを済ませて部屋に戻ると炭酸を用意してくれて「よく頑張ったな」って頭を撫でてくれる。

きっとあたしの為にしてくれたんだよね。
ピアノに当たって逃げ道がなくなった時に硬直して怖がってるって思ったからそういうときでも逃げられる方法を教えてくれたんだって思った。

鬼だったけどやっぱりすっごく優しい。
夜中に2時間半も特訓してくれるかっこいい鬼コーチ。
なんか人気出そう。

眠さがピークでベッドに行きたくて、でも一人じゃ嫌でベッドに行こうって言ったらいきなり抱き上げられて眠気が吹き飛んだ。

大我にはおんぶしてもらったり普通に抱っこしてもらうことはたまにあったけど、こんな風にベッドに運ばれるのなんて初めてで、好きな人にこんなことしてもらえるなんて思ってもみなかった。

恥ずかしかったけどふわふわして抗えない眠気が襲ってきたところでベッドに降ろされて青峰君の体温が遠のくけどまたすぐに抱きしめてくれた。

このマットレスはもちろん最高だけど、あたしは青峰君に抱きしめてもらえるならどこでもいいのかもしれない。


あたしのための型のようなぴったり感と長い腕と硬い胸板、大好きな青峰君の匂い。
抱きしめられるたびに青峰君があたしを好きになってくれたらどんなに幸せだろうって気持ちが溢れだす。
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