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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「ん゛ー離してー」

「すげー柔らけぇ」

生地を並べた天板を持ってるせいで身動きのできないあたしの頬をふにふにとつまんで笑ってる。

「もう!パンが失敗したら青峰君のせいだからね」

「失敗しても全部食うから心配すんな」

「失敗したパンのまずさを知らないからそんなこと言えるんだよ」って言ったらやっと離してくれた。

今まで男の人にこんな風に触られたことなんてなかったから
すごくドキドキするのにちっとも嫌じゃない。

あたしの頬を摘まんで満足したのか青峰君は部屋に用意してもらったランニングマシーンで走り始めた。

そっか…今日あたしがお買い物に連れ出しちゃったからトレーニングの時間が取れなかったんだよね。

青峰君と一緒にいて思ったことは青峰君はすっごくストイックってこと。
シーズンオフで一緒に過ごした時も一日のうち3.4時間は絶対トレーニングをしてた。

「まだ食事の用意に時間がかかるからプール行ってくる?」

「いいか?」

「うん。行ってきて。専用のプールだから他の人もいないし」

「悪りぃな。2時間で戻る」

「うん。今って減量とかしてる?」

「いや、冬は自然と痩せちまうからどっちかっつったら少し増やしてぇ」

「分かった。2時間あれば用意もできるからゆっくり行ってきて」

青峰君を送り出して一人になった部屋は広すぎて少し寂しく感じたけど、お料理をしてるところを見られるのはなんか恥ずかしかったからプールに行ってくれてよかった。


余熱したオーブンにパン生地を入れて焼き始めていよいよお料理に取り掛かる。

ホタテとエビを和えて青峰君はアボカドとオリーブオイル
あたしはレンコンとオリーブオイルを添えた前菜

スープはホウレンソウのポタージュだけど牛乳は使わず豆乳にした

七面鳥のもも肉の照り焼きとサーモンのグリルをメインにしてアスパラやパプリカ、数種類の根菜と緑黄色野菜もグリルしてハーブを添えて…
食べる直前に温めたいから火が通り切る前に一度過熱をやめる

グルテンフリーで白いお砂糖と化学調味料は使わないっていうこだわりだけは大我と同じだけど、盛り付けはいつもより少しだけ綺麗に見えるように頑張った。


焼けたパンをバスケットに入れてたら青峰君が丁度戻ってきた。

「ただいま」

「おかえりなさい。今用意できたところなの」
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