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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 wherever you are


荷造りをやっと終えて、お風呂に入ってからベッドにもぐりこんだ。

大奮発して買ったこのマットレスとも少しの間お別れ。
でも今回は、あたしがアメリカに行くと言ったらフレグランスの撮影場所のホテルの視察もしてきて欲しいってことで、フォーシーズンズのペントハウススイートに1泊させてもらえることになってたからそこのマットレスも楽しみ。
部屋を細かく撮影したりスカイプで部屋の感じを見せたりするから仕事といえば仕事だけど、世界でも有数のラグジュアリーホテルのペントハウススイートに泊まれるなんて幸せ者すぎる。
でもさつきと美緒も一緒に行かれたら絶対もっと楽しかったよね。

本当はペニンシュラにも1泊したかったけど取れなくて、ほかの日はフォーシーズンズのスタンダードルームを抑えることにした。



……

ピリリリ…

興奮して寝れないなんて発言が嘘のようにどっぷりと眠っていたあたしの耳に響く色気のない着信音で意識が覚醒する。

「…あおみねくん…おはよう」

「みさき…おはよ」

やっぱり寝起きに聞く青峰君の声は優しさが100倍増しになってる。
低くくて優しくてすっごく色っぽい声で名前を呼ばれるから、心地よくてまた眠りに落ちていく

「……」

「起きろよ」

「…んー……やっ…もうちょっと寝かせて」

「…ダメだ。飛行機乗り遅れるぞ」

あ、そうか。飛行機乗らなきゃいけないんだもんね。

「んー。ねむい」

「乗り遅れたら美女には会えねーぜ?」

それは困る。目の保養もしたいんだから。

「起きます。美女を見て触って癒されたい」

綺麗な人って見てるだけで気分が明るくなる。造形うんぬんじゃなく、綺麗でいたいと思う気持ちや綺麗でいる為の努力をしている人を見ると刺激にもなるしすっごくいい気分になる。

「男みてぇなこと言うなよ」

「え?あたし男みたい?」

「仕事の時は結構男っぽいのかもな。普段はどう見ても女だけどな」

「よかったー。青峰君はバスケしてても普段でも男の人にしか見えないよ」

「当たり前だ。俺が突然女々しくなったらおかしいだろ」

なんか青峰君が笑っててあたしまで笑えてきちゃう。
でもそろそろ本当にベッドから出ないと。

「起こしてくれてありがとう」

「気をつけてこいよ」

NYでは会えないけど物理的な距離が縮まるってだけですっごく嬉しい。





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