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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


side青峰

「ご馳走様でした」

「あぁ」

会計を済ませて店から出ると女3人で並んで頭下げて礼を言われた

もう奢ることが当たり前みたいになってこんなにちゃんと言われんのは久しぶりだった


黒須が火神に貧乏じゃないとか言ってるのが聞こえて火神が笑ってて俺も笑っちまった

そうじゃねーよ(笑)
奢りたいかそうじゃねーかって事だ



なんか色々と可愛い黒須をもっと知りたくてまだ一緒にいてぇのは山々だけど明日4時に家を出るっつってた黒須があんまり引き留められて仕事に差し支えたらマズい


進藤にまとわりつくデカくてうざい犬を脅して引きはがす

黒須の車に放り込んで俺が黄瀬を送らないことを詫びると、火神がいるから大丈夫だっていたずらっ子みてぇに笑ってすげぇ可愛いかった


もう会うチャンスはねぇかも知れねぇのに、何も言えなかった俺を黒須が引き留めてくれて、お返しするなんて言ってくれた


出させはしねぇけど…また飯は行きてぇ



自分でも気持ち悪りぃくらい顔が緩んでる自覚があったから間髪入れずにおやすみっつって背を向けた。

運転席に乗り込む黒須を見送ると火神と目が合った気がした


悪りぃけど…お前が黒須を好きでも譲れねー


少しして黒須が車を出したからパッシングするとこっちを見て小さく手を振ってきたから手を上げると何となく笑ってるように見えた


柄にもねぇってことは分かってる。

それでも黒須をもっと知りてぇと思う気持ちは増していく

俺にもこんな感情があったのかと自分でも驚いた





進藤を家まで送ると“ありがとうございました”と礼儀正しく頭を下げた

さつきと二人になると早速ニタニタと阿保みたいな顔で俺を見てる

「大ちゃんみさきの事好きなんでしょー?」

直球かよ
こいつはデリカシーねぇのか?

けどまぁ…誤魔化しても何の意味もねぇか
何年も一緒にいる幼馴染に浅はかな嘘は通用しねぇ

「あぁ。余計な事すんなよ」

「みさきはガード硬いよー。今日も彼氏いらないって言ってたし。それにこれはあたしの勘だけど、みさきが自分の事話さないのには理由があると思う」

「そーゆー情報もいらねぇっつの」

チッ…小姑か

「大ちゃん。みさきの事よろしくね」

「はぁ⁉」



まだ何も進展してねーのに何をよろしくされればいいんだよ‼
軽々しく言うんじゃねぇよ
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