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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


side火神

俺らが誘ったんだから会計は男で割る。

別に割らなくてもいいけど今の人間関係を考えると割るのが一番気を遣わせなくて済む

女3人は自分たちも出すって言ってきてみさきに至っては“貧乏じゃないよ”とか的外れな事まで言ってきてマジで笑えた。

知ってるっつーの。
あのマンションに住んでて貧乏なわけねぇだろ

初めから奢られるつもりで来る女は好きになれねぇけどこの3人はそういう計算とか媚とか全くねぇ。

多分こいつら3人ともそこらの男よりよっぽど男前な気がする。


みさきが明日4時出だというのに黄瀬が進藤にまとわりついて離れないせいで全然帰れねぇ。



青峰にどつかれてやっと黄瀬と進藤を引き離すとみさきの車に閉じ込めた。

往生際悪く降りようとしてるけど絶対ぇ降ろさせねぇぞ。
モデルより俺のが力あるに決まってんだろ


しかも今あの二人を邪魔すんな



青峰がみさきに何か話しかけて、青峰が背を向けたら今度はみさきが青峰を呼び止めてなんか言ってた

何を話してるのか気にはなるけど盗み聞きみてぇなことはしたくなくてそのまま車で待った

最後の青峰の口の動き…

“おやすみ”か…



そして青峰が車に乗るみさきを見て信じられねぇくらい優しい顔をして笑ったように見えたからそう遠くない未来にこいつらはくっつくんじゃねーかって予感した

青峰から話しかけたことも、引っ張りすぎたと青峰から謝ったことも、緑間の二次会で楽しそうに話してたことも今までの青峰からは考えられなかった。

アメリカで青峰の彼女に会ったこともあったけどあんなに優しい顔はしてなかった。



みさきが運転席に乗り込むと両手で頬を抑えてデカく息を吐いた

青峰におやすみって言われて照れてんだな…

かわいーヤツ


複雑だけどこれでいい
みさきが少しでもいい方向に変われたら相手が俺じゃなくてもいい


みさきが青峰の前で緑間を“真太郎”って呼んだ時の青峰の驚いたような顔とそのあとの勘ぐるような視線が何か勘違いさせたんじゃねーかと思って心配したけどさっきの青峰を見る限り取り越し苦労だったみてーだな

深呼吸しながらいつもよりゆっくりハンドルを切るみさきが頑張って運転に集中しようとしている姿がかわいくてニヤける口元を抑えた

青峰のところに行っちまうまではもう少し俺が見守ってやるから
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