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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

試合に勝っていつものようにみさきに電話をしたはずが、聞こえてきたのはさつきの声で理由を聞いたら、高熱出して寝たって言われてすげぇ心配になった。

明日まで下がらなかったら病院に連れて行くっつーさつきに、アレルギーがあるからきちんとしたとこに行けと言うと俺がアレルギーを知っていたことを驚いた様子だった。

怪訝そうに、なんでみさきのアレルギーを知ってるのか聞かれたからNYでのことを話してから話題を変えた。

またこの違和感だ…
俺 はさつきが、みさきは自分のことをほとんど話さないって言ってたのにアレルギーを知ってることの方が不思議だった。
俺が知ったのは不可抗力としても、ゴムのアレルギーなんて友達に話さなくても特に何か問題がある訳じゃねーのにさつきが知ってたことが意外だった。


北海道で様子が変だった理由も知りたかったけど、さつきが大丈夫って言いつも詳しく話してこねぇから詮索するのは今はやめておいた。

みさきが泣くほど乱される事なんだからそんなに気軽なことじゃねぇってことぐらい直感で分かる。
それに、黄瀬からも仕事になったら元気に戻ってたって連絡が入ってたからとりあえずは落ち着いたんだろう。

電話を終えてチームメイトのところに戻って次の試合の為に専用機で移動する。

専用機は広いし快適だけどWi-Fiがねぇからスマホは触れなくて寝てる奴もいれば話してる奴もいる。

『ダイキ最近調子いいな』

『そうか?いつもこんなだろ』

『ついに本命だって?』

『なんだよそれ』

『あいつが言ってたぜ』ってこの間みさきを“子猫ちゃん”呼ばわりした奴を見てる。

あのお喋りカラス…

『チッ』

『でもいいぜ。好きな女がいた方がめちゃくちゃ頑張れる。負けが込んだ時も、アクティブから外された時も、あいつが応援してくれるから頑張ってこれた』

チアの嫁だから試合でも基本一緒だけど、心底大事に思ってるってのは前から感じてた。

『そうか…』

『で、お前が惚れ込むなんてどんな女なんだ?』ってニタニタと聞いてくる。

『教えねーよ。つかまだ付き合ってねぇ』

『片思いか。頑張れよ』って茶化して目を閉じられた


こんな離れた状態で何を頑張ればいいんだよ!
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