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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side黄瀬

あぁ言ったけどみさきっちは多分すぐには青峰っちに電話しないと予想して俺が青峰っちに電話を入れた。

5コール、6コール…となり続けて、今日が試合なのかもしれないと思って切ろうとしたらブツっと音がして不機嫌そうな声が聞こえた。

「なんだよ」

「やっと出た」

「今練習上がったとこなんだよ」

「みさきっちがなんか変なんス」

「はぁ⁉寒くて具合悪いとかじゃねーよな?」

みさきっちの名前を出した途端にダルそうな声じゃなくなる。

「いや、具合悪いってより、なんか怖がってるようにしか見えなくて…」

「仕事でなんかあったのか?」

「日中は美緒と桃っちのとこで打ち合わせだったんすけどそん時は何にもなかったって。取り敢えず電話出れるようにしといてほしいッス」

「あぁ分かった。北海道だろ?あいつ寒いの嫌いだからさっさと撮影終わらせろよ」

俺の電話もメッセージもみさきっちが絡まなきゃろくに返してくんないなくせに、ホント分かりやすい人だな…(笑)
しかも北海道にいることも寒いのが嫌いなことも知ってるなんて結構みさきっちと連絡とってるんスね。


「了解ッス」

「黄瀬、みさきに触ったら殺す」ブチッ

俺の反論の余地もなくいきなり電話を切られた。
触ったら殺すって…(笑)物騒すぎっス

そして何回も言うけど俺は触ってない!触られる側なの!!!
青峰っちはどこまで本気か分かんないけど、みさきっちの事だったら多分全部本気だと思う。


みさきっちが何をあんなに怖がってるのか全然見当もつかないけど、きっとどんなことがあっても青峰っちはみさきっちを守ってくれる。
火神っちも言ってたけど、青峰っちは誰よりもみさきっちを大事に思ってるはず。

新鋭の暴君なんて呼ばれてた高校時代からは想像もつかないほどみさきっちに向ける目も声も優しくて、あんな風にされて青峰っちを好きにならない女の子なんて多分いない。

現に俳優に連絡先を聞かれてもプライベートの番号すら絶対教えなかったみさきっちが青峰っちとはNYで一緒に過ごしたんスもんね。

きっとみさきっちを元気にしてあげられるのは青峰っちしかいないんスよね
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