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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side黄瀬

みさきっちは自分が疲れてても絶対態度や顔に出さない。
俺は出しちゃう時もあるけど…

寝れてないと分かっていても一応聞くと、寝れたよって言うけど色の白いみさきっちの目の下にははっきりとクマがある。

美緒も言ってたけど、みさきっちはプライベートだとすぐ寝るし、寝たら全然起きないらしいけど、仕事になると寝不足だろうが日付が変わろうが納得いくまで打ち合わせが続くらしい。
そして色白だからクマがすぐ目立って寝不足だと一発で分かるとも言ってた


みさきっちが俺に寝ていいって言ってくれたから目を閉じたけど、寝れそうで寝れない。
みさきっちの動く気配がなくなって少し目を開けたらみさきっちも目を閉じていて、つもはいじらないスマホを膝にのせてる。

青峰っちに連絡しよ。

(みさきっちお疲れ模様ッス)

(また仕事一緒かよ。無理すんなつっとけ。そんで触んな)

(自分で言った方がいいッス。そんで俺は触られる側なの!)

(スケジュール知らねぇ。触られるのもやめろ)

本当おーぼーっス。

やっぱり俺も少し寝よう。






少し仮眠をしてみさきっちに起こされてマッサージをしてもらうと、また眠ってしまって、俺が目を覚ませないときはいつも用意してくれる冷たいタオルを渡してメイクをしてくれた


スタジオに入ってさっき挨拶をした新人さんとのカットを撮ってるけど、全然表情が硬くてOKが出ない。

“また、中断?”
“表情作れなくてモデル務まらないでしょ”

意地悪な奴って絶対どこにでもいる。
自分だって新人の時はさんざん迷惑かけただろ
実際俺だって新人の時は迷惑かけまくってた。

休憩に入ってアンナさんが新人に声をかけたのが聞こえた。


少し話して新人の表情が晴れて撮影再開になると、さっきまでの表情が嘘のように俺に笑いかけてくる。

俺が現場で行き詰った時もいつもアドバイスをくれた姉ちゃん的存在。
競争社会でもこういう風にできる人ってソンケーする。


みさきっちとアンナさんが笑いながら話してて無意識に唇を読んでしまう。

“見ちゃった” “誰にも言わない” ”付き合ってないです”
“好きでしょ” “内緒にして” “あたしの彼もNY”

マジで⁉アンナさん彼氏いるんだ。絶対いい男だろうな。

後で聞いちゃおっかな
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