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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


用意された車に乗って時間と場所を伝えた。

『少し余裕がありますから大回りしますか?』

『そうしてくれ 』

部屋から出てからずっと、車の中でも腕を腰に回しっぱなしにして、座ったみさきを引き寄せた。

「すげぇ綺麗」

「……アリガトゴザイマス……」

車の中が薄暗いから顔色までは分かんねぇけど、下唇を噛むのは多分多分照れてる証拠。

横向かれちまって少ししか見えねぇけど、口元はちょっと笑ってる



フィフスアベニューを抜けて、ブルックリンブリッジを通過して、大通りに出てレストランに向かった。

「ここいつも渋滞だね」

「だな。けどゆっくり行ける方が今日はいいだろ?」

「うん。……あ、ちょっとごめんね」

そう言って俺のタイを触って、曲がってたのか直してくれてチーフも一緒に整えてくれた。



レストランに着くとギャルソンが迎え出てきて、席に案内されて座ると少し緊張してるせいかみさきの表情がいつもより硬い。

「大丈夫だ。ただの食事だから普段通りでいい」

「変なことしちゃったら脚つんつんしてね」

先方も到着して乾杯して食事が始まった。

『会えて光栄だよ。NBA選手は忙しいから中々こういう機会もなくてね』

『こちらこそお会いできて光栄です』

敬語なんてほとんど使っちゃいねぇけどスポンサー企業にタメ口なんてさすがの俺もやらねぇ。

仕事の話もねぇし本当にただの食事だけど、CEO夫人がみさきをやけに見てるのが気になる。

みさきも視線を感じてるのか目が合うとにっこり笑って夫人と会話もしてるが夫人は何か探るような目つきをしてる。

『お仕事は何を?』

『メイクアップアーティストをしています』

『こちらにはお仕事で?』

『はい。光栄なことにNYコレクションに呼んでいただいて、それで今回NYに滞在しています』

『こら、そんなに根掘り葉掘り聞くもんじゃないだろ?』ってCEOが笑ってる。

『だって私、彼女によく似た人を知ってるんだもの。気になるわ』

『ご姉妹は?』

『いえ、一人っ子です』

『あなた、10年くらい前にパットのチャリティーの本でモデルしなかった?』

は??みさきがモデル?そんな訳ねぇだろ。言っちゃ悪りぃけどモデルとしては背が足りねぇ。


『…えぇ。ご存知でしたとは驚きました』

マジかよ…どうなってんだ。
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