第7章 近づく距離
今夜の用意をするためにジムから戻って、みさきに言われてタキシードを確認したらカフスがねぇ。
しょうがねぇから買いに出ようと、ライアンに連絡を入れた。
『どうした?』
『悪りぃな。今晩使うカフスがねぇから買いに行くからどっか個室で買い物できるとこ押さえてくんね』
『届ける前に確認すべきだったな。すまない。折り返す』
あの時ライアンにみさきのことを考えろと言われなければそのまま買いに出るつもりだった。
芸能人相手に仕事してるみさきが俺と撮られることでマイナスに働くこともあるなんてちょっと考えりゃ分かることなのに。
大して待たずにライアンから折り返しがきた。
『取れそうか?』
『バーニーズが30分後から1時間だけ空くそうだ』
『それで頼む。カフスと女物で軽めの上着を用意させて、値札は全部外してもらっておいてくれ』
『分かった。こっちのミスなのに悪いな』
買い物を終えてホテルに戻ってすぐに買った上着を袋から出してクロークに仕舞いながら撫でてるみさきを見ると、今回着なかったとしても買って正解だった。
軽く食事を取ってから、用意を始めるって言って髪を整えてくれて、今までは触られるのが苦痛に感じてたのに今はすげー気持ちいい。
完成したのを鏡越しに確認してみさきがにっこり笑うから立ち上がって頭をなでると嬉しそうに俺を見上げてくる顔がすげぇ可愛いかった。
みさきに場所を渡してリビングでコーヒーを飲みながら買ったネックレスをいつ渡そうか考えた。
出る直前に渡すか…
出る時間が迫ってんのに渡すタイミングが決められなくて、ウダウダしてるうちに、いつもよりしっかりとメイクをしてきっちり髪をまとめたみさきがリビングに来て、目を奪われた。
ただでさえ目鼻立ちがくっきりしてるみさきが、いつもよりしっかり化粧をしてるせいか大きな目が際立ってその目を俺に向けてる。
すっげぇ綺麗。
でも笑った顔はめちゃくちゃ可愛い
髪形の説明なんか適当すぎで笑えた。
いつもの緩い感じもいいけど、綺麗な顔立ちだからこういうかっちりしたのもすげぇ似合う。
みさきは普段はゆるいけどふんわりって感じはしねぇ。
独特の雰囲気を持っててそれがまたいい。
「着替えるか?」
「うん。そうする」