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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


みさきの家について母親がみさきをしっかりとハグすると俺を見て怪訝そうな顔をしてる。

無理もねぇか…
毎回いろんな女と撮られてる男が一人娘と帰宅したら歓迎しろって方が無理だ。

自己紹介をして家に入ったみさきを確認してから俺に向き直った顔には怒りが見えた。

「あなたほどの人が何の目的もなく娘に関わるとは思えない」そう言って目的を聞く母親に「目的はみさき自身だ」とはっきり言うと、更に怒りの色は濃くなって眉間に深いしわを刻んだ。

あなたほどの人なんて言われたけど、俺にそんな買ってもらうような価値なんかねぇ。
ただバスケが好きでチャンスをつかめてNBAに行けたってだけで、そのほかは一般人と変わらねぇ。

怒りに満ちた目で俺を見据えながら俺のゴシップの件を言ってきたと思ったら懇願するように手を引いてほいしと言われた。

俺はその時はいいと思って付き合ったけど合わねぇから長続きしないってだけで、誰とでも付き合ったり寝たりするわけじゃねぇ。
けどそれを言っても何の意味もねぇし“じゃあみさきだって合わないかもしれないでしょ”って言われかねねぇ。

俺は絶対の自信を持ってみさきしかいねぇって言いきれるけど根拠はないんだから、他の人に分かってもらおうなんて虫のいいことは思っちゃいねぇ。

言い訳も誤魔化しも必要ねぇし、大事なのは俺が今みさきに本気で惚れてるってことだけだから「手は引けない」と伝えたところでみさきが玄関から出てきてこっちに来たけど母親は俺を見据えたまま“まだ終わってない”とでも言いたげだった。


みさきからタオルを受け取ると腕を押さえてて見るとうっすらと血が滲んでる。

セルジオに引っかかれたらしいけど多分俺のせいだ。
火神以外の男の匂いなんてさせてたことのねぇみさきが俺の匂いなんか付けて帰ったら警戒したくもなるよな。

やっぱりセルジオとは仲良くなれねぇな…

それにみさきを引っ掻くなんていい度胸してんじゃねぇか。
俺の前でそんなことしたらお仕置きだ。

「家に入れ」と言ったら、寂しそうな顔してくるからこっちまで帰りたくなくなった。
母親のいる手前抱きしめたがる腕を必死に押さえて「帰りたくなくなる」って言ったら寂しそうな顔のまま笑ってくれた。

ほんと、可愛い女だな…
時間が許すならまだ一緒にいたかった


家に入るのを見届けて母親との第二ラウンドだ。
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