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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side青峰

ラウンジで軽く腹ごしらえしてて中学ん時の話が出て、俺の中で一番しんどかった時期が思い出された。

全中で相手チームにしちまったことは消えねぇ。それでもそこで立ち止まってることはできねぇから時間はかかったかもしれねぇけど前に進めてる。
同じ過ちは繰り返さねぇ。テツと火神に負けてからどんなに点差の開く試合でも絶対に手は抜かなかった。

対等にできるできないじゃなく自分がどうしてバスケをやっているのかを考えるようにした。

話してる時の表情で、みさきが何か後悔してるんだってことは察しがついた。
そしてそれは、まだ口に出せる程自分の中で区切りを付けられてねぇんだってことも。

それでも頭を撫でてやったら笑ってくれるからホッとした。
早く進んだ方がいいとは言っても事と次第によっては時間がかかることだってある。


部屋に戻ってからみさきが「買い物があるなら留守番してる」とか言うけど、ホント分かってねぇ。
お前がいるから会いに来てんだよ。
どうしたら伝わるんだよ…

ネロのお土産はいいのか聞かれたからずっと考えていたことを話すと実家に送った時にもらえることになった。

ネロに会わせるときに少しでも抵抗がないようにしておきてぇ。



買った上着を着るのが勿体ないって言われて、着ない方が勿体ねぇだろとも思ったけどみさきが「特別な時に着る」って言ったのが可愛くて、俺のパーカーを渡すと服の上から着てんのにぶかぶかで、太ももをすっぽり隠せるぐらい長げぇ。

デニムを履いてるからエロい感じはしねぇけどデニムがなきゃこれはヤベぇ……



フードを被ってから、この間と同じように何度も腕を出して外に出る前にサングラスをかけてる。


NYは石畳が多くて躓きやすいのは事実だけどさすがにスニーカーだし大丈夫だとは思うけど手を繋ぐ口実を作ってみさきのちいせぇ手を握るとすべすべで柔らかくてあったけぇ。

女と手繋ぐなんてガキの頃さつきとつないだ以来だ。


ギュっと握るとみさきもギュっと握り返してきてちょっと俯きながら歩いてる。


サングラスでかすぎだろ(笑)
ホント顔小せぇな


みさきの綺麗な目が見れねぇのは不満だけど、今撮られて仕事に影響させる訳にいかねぇ。


繋いでるみさきの左手の薬指を親指でくすぐるとこっちを見て笑ってる。
目は見えねぇけどすっげぇ可愛い。
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