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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


久しぶりのヘアサロンで傷んだところを切ってもらってトリートメントをしてもらう。

『今送ってくれたの彼氏⁉』

『違うの。あたしの片思い』

『そうなんだ。ついに彼氏できたのかと思った。どんな人?』

『優しい人かな。すっごく優しくて誠実な人かな』

久しぶりの再会だと大体彼氏の話になるけどあたしが万年独り身だって知ってたから男の人に送ってもらったことにすら驚かれた。

『どうする?バッサリ切る?いつも通り毛先だけ?』

『毛先だけ。好きな人がね、あたしの髪好きだって言ってくれたの。だから短くしない』

『恋してるね。みさき綺麗になったよね』

『え?自分じゃ毎日見てるから分かんない』

毛先の傷んだところを切ってもらってトリートメントをしてさらさらにブローしてもらう。

髪が長いのにお手入れしないのはなしだって思ってる。ホントは月一とかでお手入れしなきゃなのに今回は3か月も放置しちゃった。

青峰君に電話するとお店の中にいろって言われて、そうさせてもらうことにした。

『片思いの割に愛されてるじゃん』

『違うの。ちょっと事情があって』

ニタニタしながらも応援してるって言ってくれた。

彼女はあたしの過去は知らないから初恋だって知らないけど応援してくれて嬉しかった。

それから少し、お互いの仕事の話をしてるとホテルの車が到着した。

『あ、来たから行くね』

『富豪⁉』

到着した車に、ものすごく驚かれたからホテルの車だよって言ったら納得してた。


車に乗るといつもみたいに腰を引き寄せて横に座らせて「おかえり」って優しく言われてドキッとした。
あたしは青峰君のおかえりとただいまがすっごく好き。

髪を触って綺麗って言われて、髪のことを言ってるって分かってるのに照れちゃう。

ホテルに戻って大好きなカウチで二人でごろごろだらだら過ごすのは最高。
幸せすぎ。

青峰君に触られてる髪が気持ちよくて知らないうちに寝ちゃってた。

髪の毛に神経なんて通ってないハズなのに青峰君に触られてるとすごく心地いい。
もうずっと撫でててほしいって夢うつつのまま思ってた。


どれくらい寝たのか分からないけど、部屋の電話が鳴って目が覚めたらブランケットが掛けられてた。
ほんと優しい。

「起こしちまったな」

「ううん。起きたの」
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