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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離




『あの…誰に聞いても具体的なイメージが掴めないんだけど、どうなってるの?』

『仕方ないだろ。全権は彼女が握ってるんだから…』

仕事が進まないことに焦りといら立ちを感じて、半分八つ当たりのように聞いてしまったせいか困らせてしまった。


もう、どうすればいいの?

お手上げ状態でいると一人の女性が声をかけてくれた。

『ジェシカはタイガと一緒に撮影したかっただけなのよ。多分ジェシカはもう戻らないからあたしとあなたで打ち合わせましょ。ハンナよ。よろしく』

『…そうなんですね。黒須みさきです。よろしくお願いします』

『全体を自然な感じで仕上げたいんだけどせっかくタイガを使うなら男の制汗剤っていう印象を強めるためにもしっかり筋肉は見せたいの。でも見せすぎもわざとらしくなるし……ビーチか屋内かどっちかにしたいのよ』

『なら夕方の屋内は?うまく影を使えば作り込みすぎなくても筋肉を際立出せられるし、夕方に影がついて浮かび上がった筋肉ってセクシーでいいと思うんだけど』

『そうね』

『一応こんな風にはできるけど』


機内で書いたデッサンを見せると少し修正を加えてくれて、これをするとなると結構際どい所までラインを取らなきゃいけない。

これは……大我に何も言わずにOKするのはちょっと厳しい。

1本目のは自然な感じにするし、さほど問題なさそう

『大我に確認して後で連絡するわ』

『えぇ。よろしく』



結局本当に戻らなかったジェシカを待つのは無駄に思えて部屋に戻ったけど、大我もまだ戻ってない


打ち合わせしてるなら仕方ないか…




さっき手直ししてもらったデッサンを見ながら考えてしまう

流石にこんなに下まで描くのは大我も嫌だろうな…
しかもあたしだって触らなきゃ筋の通り方とか筋肉の付き方とか判断できないし、仕事と言えどちょっとは躊躇する。



ちょっと休憩…


こんなに統一感のない現場は初めてで、大したことなんて何もしてないのに猛烈な疲労を感じた

マイアミはプライベートでバカンスに来るのが一番だね…

あーあ。大我まだ戻らないしルームサービスで何か飲み物でも取っちゃお



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