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最愛 【黒子のバスケ】

第2章 直感



「あの…助けて頂いて本当にありがとうございます。どこも痛くないです。タキシード汚してしまってごめんなさい。クリーニング代お支払いさせてください」

「いや、式場でやるっつーからもう預けちまったから気にすんな」


気にすんなって…気にするよ。
あんな高そうなタキシードを汚したんだから…
だけど式場でしてもらえるならその方が確実な気がした。

「あの…本当にすみませんでした」

「いや、こっちこそすげー強く引っ張っちまって悪かった。怪我しなくてよかった」

彼をクッションにしちゃったんだからあたしは本当に無傷
もうホント申し訳ない。



「だいちゃんみさきには優しいんだねー」

「はぁ?別に普通だろ」

この2人、ホントに幼馴染だったんだ
全然知らなかった。




二次会まで時間があるから先に会場近くで呑み始める人もいるみたいだけど、わたしは泣き過ぎた顔とさつきのヘアセットを少し直すために1度帰宅する事にした。


でも土曜日ということでタクシーが混んでいて中々捕まらない。

「やぁ。この後二次会まではどうする予定かな?」

「あ、赤司くん!みさきんちに1回戻るんだけど今タクシー待ちなの」

「混んでいるだろう。うちの車を呼ぶからそれを使うといい。二次会にもそれに乗っておいで」

うちの車って…
運転手さん何人いるの!?


「いいのー??赤司くんありがとう♡」

「いいんですか?ご迷惑じゃないですか??」

「構わないよ。気をつけて来るんだよ。桃井を任せた」

「はい。それではお言葉に甘えさせていただきます。ありがとうございます」


程なくして赤司家の車が到着すると丁寧にドアを開けてくれて、いつもよりご機嫌なさつきと一緒に乗り込むと車内ではミネラルウォーターを渡してくれた。

タクシーの運転手と違い優しい運転で本当に車が動いているのか分からないくらいで、あっという間にマンションに着いた。



エントランスにはいってオートロックを解除していると聞こえる聞きなれた声

「桃っち!みさきっち!」

「黄瀬くん!戻ったんだ!」


黄瀬君が運転手さんと一緒にあたしたちの荷物を部屋まで運んでくれて恭しく頭を下げてくれる

「ごゆっくりご用意下さい。1時間後にお迎えに上がりますので黄瀬様もよろしければお乗り下さい」


「すみません。ありがとうございます」

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