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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


たくさん食べてホテルに戻って二人でゆっくり過ごして






もうお別れの時間になってしまった



寂しい…


けどそんな事言えない




「下まで一緒に行く」

「ここでいい。一人であんまり出歩くな」


少しでも長くいたいけど、断られてしまったら無理にとは言えない。



だけど、せめてドアの前まで…


荷物を持つ青峰君の後ろを歩いて、ついにドアの前に来てしまった


「気を…」



































___________________ぎゅっ……





気を付けてねって言うつもりの言葉は最後までは言えなかった


力強い腕で、硬くて温かい胸に強く抱き寄せられた




力強く全身を包まれて伝わる青峰君の体温



「あのっ…」

「すげぇ楽しかった。また来る」



初めて聞いた時から好きだって思った低い声



「あたしも、その…すっごく楽しかったです……待ってます」



「なんで敬語なんだよ」


腕を解かれて聞こえた口調は少しだけ不満そうで

だけど優しかった



「仕事頑張れよ。お前なら大丈夫だ」


恥ずかしくて顔を上げられないあたしの頭の上から、力強い声が聞こえたと同時に部屋のドアが閉まった




行っちゃった…















あたし…





青峰君の事が





すごく好き









ぼーっとして今起きたことが現実なのか分からなくてドアの前で立ち尽くして




背中に残った腕の感覚は、さっきまで確かに抱きしめられてたって事なんだよね…


ぴったりと嵌るように収まった胸は今まで感じたことがない程、温かくて



幸せだった






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