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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


今はできるだけ多く黒須との時間を確保してぇ。

混みまくりの市街を徒歩より遅せぇ速度で進んでは止まってを何度も繰り返して、やっとホテルが見えてきた。

「これ、ナビ合ってんのか?あっちの道のが絶対ぇ空いてんだろ」

俺は別に渋滞でも構わねぇけど、フライトで疲れてんのにロスバゲで出かけなきゃなんねぇ黒須を早めに部屋で休ませてぇ。

「多分、あっち周りだと車幅制限の道あってこの車通れないです」

「マジか」

「運転疲れちゃいますよね。ごめんなさい」

疲れねぇ。
隣に黒須いるドライブなら全く疲れなんて感じねぇ。

俺はどんだけホテルに行くのが遅くなったってラッキーとしか思わねぇ。

「いや、俺は全く疲れねぇけど、黒須は出かける前にちょっと休まねぇとフライト疲れただろ」

「昨日お休み取ってたので元気です。ありがとうございます」

渋滞でイラつかれるとこっちもイラつくけど、黒須は全くそんな態度取らねぇで、前来た時とは違う店になってるとか、この店はオーダーにもたつくと舌打ちされるとかずっと笑いながら俺と話しをしてくれた。



クソでかい車のせいで多分めちゃくちゃ大回りさせられて、渋滞にハマりながらもホテルに到着して、ベルボーイをうまくあしらった黒須とチェックインを済ませて部屋まで送った。


俺の部屋に誘ったのは本気半分冗談半分。

来てくれんなら歓迎だけど、来ねぇっていうことは分かってた。


アメリカが長げぇのに腰を抱いただけでフリーズすんだから男への免疫は相当低い。
部屋に誘ってすんなり来るなんて言う訳がねぇ。

別にすぐにどうこうなりてぇ訳じゃねぇけど一緒にいる時間が多い方が俺としては嬉しい。





下心がねぇって言ったら嘘になるけど黒須といてもすぐに手は出せねぇ。

なんつーか…大事にしてぇし、適当なヤツだと思われたくねぇ。

すぐ誰にでも手を出す気持ち悪りぃやつだと思われて嫌われたら、もうチャンスは巡ってこねぇ気がする。






今までそんな事思ったことなかったのにな…

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