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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


一緒にいる間に少しでも距離を縮めたかったから、黒須がケラケラ笑って敬語が崩れたのは俺にとってはチャンスだった。

結局その後話す時は敬語に戻っちまったけど、呼び方はさん付けを卒業した。

名前で呼べって言っても多分呼んでくんねぇだろうし、変なこと強要したくねぇからそれは言わなかったけど、緑間が真太郎って呼ばれてるのにはやっぱ嫉妬する。

“大我”はしょうがねぇとしても“真太郎”は嫉妬する。


けど、そんなことに嫉妬したり拘ったりしてる小せぇ男だと思われたくねぇからそれは出さねぇけど、やっぱ関係は気になる。
緑間が違うっつーなら違うんだろうけど、黒須はそうじゃねぇかも知れねぇってのは捨てきれねぇ。

見るからにチャラチャラした女が黄瀬を涼太って呼んでるのとは天と地程差がある。

黄瀬が相手を認識してるかは別として、チャラチャラした女が黄瀬を名前で呼ぶのは地球に酸素があるのと同じレベルで当たり前の光景。

堅物で偏屈で全く譲らねぇ、女に馴れ馴れしくされたくねぇ緑間を、明らかに男に免疫のねぇ、接点も見当たらねぇ黒須が名前で呼んでるなんて、違和感感じるなって方が無理だ。

しかも、緑間と話した時、あいつも黒須を名前で呼んでた。
名前で呼び合うことか当然のように、少しも言い淀むことなくみさきって呼んだ。

黒須と緑間がどんな関係なのか考えれば考える程分からなくなる。


けど、想像の域を出ねぇならそんな事今考えたってどうにもなりゃしねぇんだ。


そして、どんな関係だろうが俺黒須が好きなことは揺らがねぇ。
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