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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶


それに、仮病って…

確かに今は具合が悪そうには見えないけど、カレンを煽ってヘソを曲げられたら撮影が長引いちゃうのに…


『随分言ってくれるのね…これでも反省してるのよ』

『笑わせんな。てめぇが反省なんてする訳ねぇだろ』

『あなたといいものを作りたいから……本当に反省してるわ』


夫婦という設定でこれから撮影に入るとは思えない程の険悪な青峰君の態度と、本当に大人しくなって眉を下げてるカレン


このままじゃ撮影にも影響しちゃう


あたしがはっきりと言わないから…
だから青峰君が言わなくてもいいことを言ってる


『カレンさん』

『何?』

『奥のお部屋でメイクさせてください』

カレンが何を企んでるのか分からなくても、このまま近くにいさせるのは良くない。

とにかく青峰君とカレンを引き離したくて、カレンにメイクの場所の変更を申し出た



「おいみさき‼‼お前何考えてんだ‼‼」


あたしのせいなのは分かってるし、カレンと二人にならない方がいいことも分かってる

だけど怒ってる青峰君と読めないカレンを近くにいさせるのは良くない気がした


『ちょっといきなり動くのやめて頂戴‼‼ブレるじゃないの‼‼』


あたしの言葉に明らかに怒った青峰君が椅子から立ち上がって、鏡越しにあたしを鋭く見据えてるけどパットはそんな事お構いなしで、メイクを続けてた


『そんなに心配しなくても…あたしはもう何もしないわ』

『どーだかな』


カレンの言葉に吐き捨てるように言い返した青峰君をパットが座らせて、あたしとカレンはメイクの場所を移動するために道具をまとめ始めた


『本当よ。あたし、絶対に何もしない』


カレンの言葉はあたしに言ってるのか青峰君に言ってるのか分からない。

だけど、あたしがはっきりカレンを拒絶しないから昨日のことが起きて、それで青峰君は怒ってる


だから、あたしがはっきり言う


『当然です。あなたに私達のプライベートまで踏み込む権利はない。言っておきますが、私はあなたに何を言われても一歩も引く気はありませんから』


鏡の中でカレンの目だけを見て、あたしの意志をはっきりと伝えた。


あたしは引かない

“私達”って言葉をあえて使ったのは性格が悪いとも思えるけど、これはあたしなりの仕返しでもあった
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