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最愛 【黒子のバスケ】

第25章 起憶



みさきはいつも結構最後のほうまで現場残ってたけど、何故か今日はカレンもいた

人目もあるしカレンが手を出すとは思ってなかったけど、またろくでもない事を言うとは思ってたから、心配でみさきを気にしつつ打合せをして終わるのをここで待っていようと思ってた


しばらくは特におかしなことはなかったのに、何度目かにみさきを見るとあの時のことを話してくれた感情のない死んだ目をして口元だけが動いてた


話してるのに表情筋はピクリともしなくて口だけが動いてる

仕事の時に張り付けてる無感情な笑顔すらない


ただ事じゃない気がした

美緒を見ると美緒もそれに気づいてるみたいでひっきりなしにみさきを見てた


打合せの内容なんてまるで頭に入らなくて、後でまた確認しなきゃいけないけど、今はみさきを何とかする方が先決だった



チームから外れて大ちゃんに連絡を入れようとすると美緒のチームが打合せを終えたらしく自分が連絡をするって事を示すようにスマホを見せて合図をくれた



とにかく早く誰かきてみさきを助けて
メーカー側のあたしたちがみさきの肩を持てば現場は大変なことになる。


そんなことをすればみさきは責任を感じずにはいられない

冷静なみさきに戻った時、罪悪感を持たせちゃいけない

かがみんでもきーちゃんでも誰でもいいから、間に入って問題にならない人を呼んですぐに間に入って欲しかった



だけど状況は…





すぐに悪化した


カレンの怒鳴り声に近いような声に視線が集まってもみさきは無表情で淡々と何かを話した

周りなんて見えていないかのように、いつもキラキラしてる目が光を失って濁って何も見ていない



ゾッとする程の冷たさだった


あたしたちに話してくれた時、苦しさをこらえて感情を殺してる感じはしても今みたいな冷徹な感じはなかった


カレンはみさきに何を言ったの?

ここまでみさきを追い込んで何がしたいの?

大ちゃんを好きなら大ちゃんに幸せになって欲しいと思うんじゃないの?


カレンに対する怒りと同時にみさきの事を助けに入れない自分にものすごく苛立った






少しもカレンから目を反らさないみさきは、温度もない冷たくて無感情な目線と声を容赦なくカレンに突き刺した

カレンが顔を引きつらせて恐怖を表してもみさきはそれをやめなかった
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