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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


みさきの電話の受け答えで、撮影期間中あの女のメイクをみさきがすることになったことは明らかだった

みさきに嫌がらせをしてぇんだってことは言わずもがなだった。


「…大丈夫か?」

「大丈夫だよ。今日と同じ」

「ごめんな…」

「謝らないで。青峰君が悪い訳じゃないのに謝られるのは嫌。それに、あたしはここをやり切れたら自信になるって思ってる。ちゃんと感情をコントロールしてクライアントを満足させることができれば、あたしの自信になるの。だからもう謝らないで」



強いな…
思った以上にみさきは強い


守ってやらねぇといけねぇなんて俺のおごりだった
プライベートではもちろん守るけど、仕事になった時のみさきにはそんな事必要ねぇ。

ちゃんと自分で立って自分で進んでいける。
逆境に負けねぇ強さと絶対にブレない芯があって、尊敬以外の言葉が何も浮かばねぇ



今俺にできることは謝ることでも守ることでもねぇ。
少しでもみさきの精神的な負担を軽くして、この撮影を一緒に乗り切るだけだ


「撮影終わる日あっちのペントハウスであいつらが全員で泊まらねぇかって言ってんだけど、予定空くか?」

別に本気で謝らなくていいなんて思ってねぇけど、謝るなって言われてんのに謝ってたら余計にみさきの負担になる。

一緒にいるときは仕事のことは最低限にして、プライベートを重視する


「わ!楽しそう‼LAの日程はいつもより余裕あるし予定全然空けられる!みんなでお泊りしたい」

言った瞬間に、本当に嬉しい時の笑った顔を見せてくれたみさきを見れて、すげぇ嬉しかった。


仕事中の感情の見えない作った笑顔じゃねぇ、あったかさがある俺の惚れたみさきの笑った顔


仕事中は見れなくてもここにいるときはその顔でいて欲しい。

「じゃあ泊まるって連絡しとく」

「うん!ありがとう」

「向こうでなんかやりてぇことあるか?」

「えっとね、また薔薇のお風呂したい!」

「分かった」


大したことなんてしてやれねぇけど、その可愛く笑う顔だけは俺が守る。


みさきがずっと笑ってられるように
みさきの望みを一つでも多くかなえられるように
みさきに選んでもらえる男であるために




今俺は、自分ができることだけを精一杯やるしかねぇ
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