• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain


カレンさんが何か言うだろうってことくらい分かってた。

だけどそんなこといちいち聞いていられない


時間もギリギリだし何よりも相手の青峰君はパットが仕上げるんだから完璧に仕上がってる。
あたしのメイクが見劣りするような仕上がりじゃ話にならない


必要なこと以外は何も話さないし、カレンに言われることには反応を示しながらも頭には入れない

メイクを仕上げて最後に髪を緩く巻いて、サイドに寄せるように自然に流して完成させた

『違和感やかゆみはありますか?』

『ないわ』


鏡越しと直接のチェックを終わらせて、コテを片付けてから中野チーフを呼びに行った。


ハンナの話を聞いてから、熱いままのコテから目を離すのは危ないと判断して一切やめるようにした。

同じことを考える人がいないとも限らない



「チーフ。メイクができたので担当さんと一緒にチェックお願いします」

「悪かったわね…」

「私もサラのメイクを昨日直接確認しておくべきでした。申し訳ありません」

「謝らないで。スケジュール的に無理があるわ」


それでも資料がなかったのならそれをするべきだった。
専属なら大丈夫だろうと安易に判断した私の読みが甘かった

メイクのチェックしてもらってOKをもらうと、実際の部屋での影の具合との微調整のために青峰君とカレンを撮影の部屋に入れて、パットも呼んでから照明とツリーのライトをつけてもらった


9月だけどペントハウスは撮影用にすっかりクリスマス仕様
白が基調になったツリーは大人の雰囲気ですごく綺麗だった



『このベッドダイキの家のと似てるわ』

『そうだな…』


部屋に入って即座に青峰君に近づいていくカレンさんは、多分本当に青峰君が好きなんだと思う

否定しなかった青峰君に嬉しそうに笑ったカレンが抱き着くように腕を回そうとした

『カレン。ダイキに触られるのは困るわ。メイクが崩れるのよ』

『パット〜‼別にいいじゃない。あなたならすぐに直せるんだから』

『ダメよ。あたしは二人掛け持ちで忙しいのよ。いい子にしなさい』



口角は笑ってるけど目は笑ってない

すぐに直せるとか直せないじゃない
パットは時間を無駄にすることをすごく嫌う

青峰君にハグすればカレンさんにも直しが必要になって、時間は確実に浪費された
あのタイミングで止めてくれたことであたしも助けられた
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp