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最愛 【黒子のバスケ】

第23章 After the rain



(お部屋ありがとうございました。今サービスが来てくれてお部屋を整えてもらったので起きたら連絡ください)


いつもより少し遅めに起きてパットに連絡を入れると、すぐに電話がかかってきた

『おはよう。仲直りできたかしら?』

『はい。お騒がせして…』

『いいのよ。これで分かったでしょ。恋愛して不安定になった女がどんな表情をするのか…感情はメイクをより深いものにするわ』

きっとあたしが気にしないように軽く言ってくれてる
本当に優しくて強い人


昔は今ほど多様なアイデンティティを受け入れる世の中じゃなかったからきっとずっとつらい思いをしてきてる


辛いことを経験した分人は優しくなれる
パットはそれを体現したような人

辛かったなんて言わないけど、パットの深い優しさの裏には、きっとあたしでは想像もつかない程の偏見や差別があった。

だけどそれに負けない強さがあった



あたしも強くなりたい

今まで経験してきたどんなことも意味があったって思えるようになりたい。
ならなきゃいけない

青峰君と一緒にいるなら、あたしは強くならないといけない
泣いて甘えてよりも笑って支え合いたい

厳しいNBAでも一際明るい光を放つ彼の影でありたい

影は光が強ければ強いほど濃くなる

強い光のそばで誰よりも濃い影でいたい
光を強くすることは自分自身を強くする





『はい!今日からよろしくお願いします』

『えぇ。ダイキとペニンシュラ戻るんでしょ?』

『はい』

『こっちチェックアウトするでしょうから今からこっちのカードキー持ってそっち行くわ』

『ありがとうございます』



もう揺らがない


あたしとカレンさんは違う

あたしは表に出るような華やかさはない
綺麗な体も、一瞬で目を奪われるような美しい顔も、思わず振り返らずにはいられないオーラもあたしにはない。


だけど、それでもあたしは青峰君を渡せない
十人並みの容姿でも思いっきり一般人でもあたしはあたし


「みさき」

「ん?」

「愛してる」



この言葉が

優しく触れる唇が

強く抱きしめてくれる腕が




______________あたしに自信をくれる



「……あたしもだよ」


やっと言えた

同じ気持ちだよってやっと言えた




その少し驚いた顔もすごく好き
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