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最愛 【黒子のバスケ】

第22章 大雨


恋をして好きな人と付き合えてあたしはどんどん欲張りになった


これほどまでに自分本位な人間だとは思ってなかった



あたしだけを好きでいて

あたしだけを見て

あたしだけを甘やかして

あたしだけを…

あたしだけを…



青峰君を独占したい気持ちはあったけど、それがここまで強烈な独占欲になるとは思ってなかった



カレンさんの妊娠を聞いたとき、嘘だってすぐに分かったのに、カレンさんは青峰君に抱かれたんだって思っただけで猛烈な嫉妬心があった。


過去にまで嫉妬して過去の青峰君まで欲しがるなんて、あたしの独占欲はもう尋常じゃない。


嫉妬心の塊でヤキモチ妬きの見本みたいな人間



何度キスされてももっとしてほしい

何度抱きしめられても全然足りない


本当にあたしはどうしようもない甘えた



でも明日になったらちゃんと仕事に切り替えるから

今だけ、もう少しだけ、甘えさせてほしい


「だいき…ぎゅ…」

「してるだろ?」

「もっと強くがいい」

苦しいくらい、潰れそうになるくらい強く抱きしめられるのが好き

「折れちまうだろ」

「折れないもん。脚もして」


体だけじゃなくて脚も青峰君の長い脚に捕まえられて全身がぴったりとくっつくのが好き

あたしの望み通りに強くぎゅってして脚も捕まえてもらって、逞しい胸に頭を預けると、大きな手があたしを撫でて頭にもキスをしてくれた


「ほら寝るぞ」

「うん。おやすみなさい」

「おやすみ」



きっとこれから先だって喧嘩をする

だけどきっとそれで知れることがある


心が土砂降りになる日だってある


だけどやまない雨なんてない



ずっと降り続ける雨なんてない



自分で勝手に降らせてしまった雨にみんなが傘をくれた

そして青峰君が雨を止めてくれた


雨の後はいつだってすがすがしいほどの快晴


晴ればっかりじゃないけど曇りばっかりでも雨ばっかりでもない



恋も天気も思い通りにはいかない

だけど思い通りにいかないから、雨や曇りがあるから晴れた時が幸せだって感じるんだと思う
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