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最愛 【黒子のバスケ】

第1章 視線の先


side青峰

挙式で見た緑間は白のタキシードが嫌味なくらい似合ってた。

自分に結婚が無縁だったとしても、色んなことを一緒に経験した奴らが幸せになんのは嬉しかったりもする


挙式が終わってガーデンに出ると既に飲み物が用意されていて、ギャルソンからアルコールを勧められたけどソフトドリンクを選ぶと、驚いたような視線を向けられてそれを見てた黄瀬にまで笑われた。

「青峰っちがソーダって」

「チッ…何だよ。俺が酒飲まなかったらおかしいのかよ」

こんなに眠いのに酒なんか飲んだら寝ちまうだろ。


心の中で毒づきながら会場を見渡していると、さつきが誰かと楽しそうに話してるのが見えた。

ちょうど他のやつの影になっていて相手を見ることはできなかったけど、さつきの表情から仲がいいやつなんだというのは見て取れた。


ガーデンの風は心地よくて却って眠さを増長させた。

顔でも洗って目を覚まそうと会場の出口に向かうと、タイミングよくどこかから戻った火神とすれ違った。

猛烈な眠気に耐えられなくて、火神に出ることを伝えてトイレに向かうときに少しだけさつきの話し相手が見えた。



すげぇ華奢…
思いっきり抱き締めたら折れちまいそうだな


顔を洗い終わって軽く歩き回って眠気を覚ましてから会場に戻ると、既に乾杯の挨拶が始まっていて俺がグラスを持ったと同時に乾杯の声が響いて、一気に乾杯酒を飲み干した。



披露宴で出される料理はどれも美味かった。
スポーツ選手の中には食べ物にすげぇシビアなヤツもいるけどオレはなんでも食べる。
好き嫌いはするけど

デザートはブッフェらしく紫原が「ぜーんぶ載せてもらっちった~」とか言って嬉しそうしてて、変わんねぇなって思うと笑えてきた。

俺は甘い物を食べる気分にはなれず、取り敢えずコーヒーを貰おうと席を立ってガーデンに出ると、さつきがキャッキャと騒がしくケーキを選んでいるのが見えた。

話そうとしたけど人が多くて、取り敢えずコーヒーを先にもらおうと列に並ぶと、さつきと話してたヤツが紅茶の列に並んでいた。

黒っぽい髪をアップに纏めてうなじから肩甲骨までのVカットのロイヤルブルーのドレス。


あのドレスは俺好みだわ…

華奢なせいか肩甲骨が羽みてぇに見えて全然好みの体格じゃねぇのに妙に色っぽく見えた。



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