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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


シャワーを浴びて体の熱を冷ますために少し休憩してから出かけられる用意を整えた。

お化粧して軽く髪を巻いて

服はないからさっきのままの薄手の長袖のマキシワンピースとあたしには珍しくヒールのないエスパドリーユ

普段の色気のなさに拍車がかかるけどこれしかないもん


せっかく好きな人とお出かけなのにってちょっとがっかりしたけど“せっかく”って思うなら楽しまないとね

(準備できました)

…って敬語やめるんだった

知り合いからお友達にちょっとは近づけたかな?

敬語で入力したものを削除して入力しなおした

(準備できたからロビーにいるね)

(もう部屋出たか?)

(今出るところだよ)

(部屋にいろ。迎えに行く)

(はーい)


かっこよくて優しくて

モテないわけないよね……


迎えに来てくれた青峰君と歩いてホテルを出たけどやっぱり自分の服装が恥ずかしい

何を着ても着こなせそうな青峰君がちゃんとしてて、服を選ばないと大変な事故になるあたしがパジャマのような服装

刺さりまくる通行人の視線

本当に見ないで欲しい
あたしだってちゃんとした服着たかったもん!


「…この服装が恥ずかしすぎるからちょっと先に服を買いに行ってもいいかな?」

「行きたい店あるか?」

「メイシーズかな。何でもあるから」

それに近いから。


お店に入ってすぐに好みのお洋服を選んで試着室にこもる

一番小さいはずなのに全っ然サイズ合わない

どれもこれもガバガバ

『すみません。もう何でもいいのでサイズの合うの持ってきてください』


疲れた。

着替え疲れた。

モデルさんってすごいね…


やっとの思いで3日分の洋服を確保して試着室から出た


「決まったか?」

「うん。お待たせしました」

「貸せ」

えッ⁉

ちょっと待って‼‼

あたしが靴を履いてる最中なのに服をまとめて持ってレジに行ってしまった

「自分で買うからッ‼」

「もう会計終わった」

慌てて追いかけたけど間に合わなかったらしく店員さんが奥で包んでくれてた

「お金返します」

「そんな事考えなくていい」

絶対何かお返ししよ。

てゆうか、青峰君に買ってもらうならもっとちゃんと選べばよかった
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