第20章 28
side美緒
お店に入ってご飯を食べ始めたところで、さつきとあたしのスマホが同時に震えた
(ごめんお昼寝してた。2日後なら一日空いてる)
お昼寝って、もう8時だよ
何時間寝るの…
みさきってホント猫並みに寝る
猫か赤ちゃんかみさきってくらい寝る。
(じゃあ2日後に集まろ!集合場所どうする?)
(あたしお買い物したいけど取り敢えずいつも通り家でいい?)
あたしたちが集まるときは基本みさきの家って決まってるけど、今は青峰さんが来てるから一応聞いてみた。
超遠距離の二人をお邪魔しちゃったら悪い。
(OKだよ)
(じゃあ待ってるね)
あんな内容のメッセージをしてきたからもっと落ち込んでるのかと思ったのに、みさきがあまりにもいつも通りだからさつきと拍子抜けした。
「なんか普通だったね」
「だね。大ちゃんと話したのかな?」
「だといいね。みさきって束縛をちゃんと分かってないね」
みさきは自分に相当自信がないのか、ちょこちょこと不安なことを言ってくるけどあたしたちからすれば全部杞憂
自分が青峰さんを好きになりすぎて気持ちの釣り合いが取れなくなりそうとか、貧乳でガリガリで背が低いとか…
青峰さんがみさきを大好きですっごく大切に思ってるなんてあたしたちはみんな分かってる。
どれだけ好きになったってただ喜ぶだけで、重いなんて絶対感じないだろうし、全身から愛しさを溢れ出させてる。
なんであれが分からないのかちょっと分からない。
でもみさきの気持ちが全く分からないわけじゃない。
あたしも涼太に釣り合ってないって感じることはたくさんある。
好きになればなる程劣等感があった。
だからせめて重荷にはなりたくなくて、最初は物分かりのいい振りをしてた
だけど涼太が“我慢しなくていいから、俺には本音を聞かせて”っていつも言ってくれた
不安も嫉妬も劣等感もいつも全部包んでくれた。
意地っ張りなとこは全然治せないけど、それでも涼太があたしを好きであたしを選んでくれるなら、周りにどれだけ釣り合ってないって思われてもあたしは涼太から離れない
だからみさきにもいい意味で開き直ってほしい。
青峰さんが自分を好きだって思ってくれるなら、周りの意見なんて関係ないって思ってほしい
だって恋愛って二人だけの世界だもん。