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最愛 【黒子のバスケ】

第19章 甘い時間


「重くない?」

「まだまだネロより軽い。けど少し増えたか?」


あたしは今青峰君の背中に乗ってウエイト代わりをしてる。


体重計に乗るのは1週間に1回だけにしたけど青峰君には毎日乗ってる。


リコさんに教えてもらったトレーニングの腕立ては恥ずかしすぎてやってなかったのに少し前にジムに行ったときリコさんが青峰君に教えたらしくすっごく楽しそうに誘われてやるようになった。


「分かんないけど…多分少し増えたと思う」


言われた通りに食事とプロテインを摂ってるから最初に行った時よりも確実に体重は増えてる。


最初はすっごく恥ずかしくて落ち着かなかったし、ネロ君にはあたしが青峰君をいじめてるって思われてすっごい吠えられたけど最近は慣れて吠えなくなった。


あたしは相変わらず恥ずかしいけど、最初程ぎこちなくはない……はず


「今度もうちょい下」

そう言われればもぞもぞ体を動かして少しだけ下に移動して青峰君の背中にぴったりくっついて自分の手の甲に頭を乗せる。


「すげぇいい感じ」

そういいながら軽く腕を上下させてるけど使ってるのはほぼ腹筋。

腹筋と背筋だけであたしを乗せて上下させてる。


お腹に伝わる青峰君の体温はいつもよりも熱い。


青峰君は体幹がすごく強いからあたしを乗せてても全然ふらついたりしないし背中も広いからあたしは普通に寝てられる。

揺れが心地よくて眠くなってしまいそうなほどだった。


「場所戻って肩に手回せ」


…これはトレーニングじゃない。

自主トレを終わらせるときあたしがこれしないとと青峰君はあたしを降ろしてくれない。


言われた通りぎゅって抱き着くとそのまま下半身の力だけでで立ち上がってあたしをおんぶしてくれる。


「ねぇ…あたし体重増えてきたし…これ大変じゃない?」

「いや、そこまで増えてねぇよ。せいぜい1キロくれぇじゃねぇ?」


そう言ってあたしが落ちないように立って背中を少し平らにさせてスクワットしてる。


何度かスクワットしてあたしの脚が地面に着くくらい低くしゃがんだらそれが終わりの合図。


「あちー……悪りぃけどドリンク取ってくんね?」

あたしが下りると同時にシャツをパタパタしながら垂れた汗を拭いてる。

そんな普通のしぐさですらかっこよくて見とれてしまう
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