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最愛 【黒子のバスケ】

第18章 劣等感


side青峰


みさきの声に元気がねぇことはすぐに分かった。

リハビリが思い通りにできなくて落ち込んでんだと思ってた。


だけどカフェに入ってみさきと同じのをオーダーしてテーブルに座るとみさきの目が少し赤くていつもより水っぽい。


泣いた…?

思い通りにならねぇからって泣いたりするなんてことねぇはずで、でもこの時間ならリハビリはまだできねぇって言われたとも考えられねぇし…


なんだ?


「青峰君、お店で飲みたい?」

考えても理由が分かんねぇ俺にみさきが小声で聞いてくるけどやっぱいつもと様子が違う。


「車戻ろうぜ」

「うん」


プラスチックのカップをもって席を立つとみさきが俺の小指をそっと握った。

こんなこと今までなかった。


家の中でキスしてる時なら抱き着いてくれたり手を触ったりってことはあったけど外では絶対ぇ自分から俺に触ることはなかった。


みさきの手をしっかり握りなおして店を出て車に乗り込むと一度離れた手をみさきがまた握ってくれた。


「どうした?」

「リハビリ何時からだっけ?」

「4時」

俺の質問をスルーして自分の質問をしてくることもいつもとは違った。

「相田さんとこうちから遠い?」

「車で30分くれぇだな」

「お家で、ちょっとゆっくりしたい」


どっちにしてもみさきを家に置いていくつもりだったし俺もトレーニングウエアは持ってきてねぇから戻るつもりだったけどみさきは散歩したがると思ってた。


「じゃあ戻るか」

「うん。お願いします」


そういいながらも手を離さねぇみさきを撫でるとやっぱ目は少し赤い。

「手…運転中は危ねぇから…」

「あ、ごめん」


運転中だって離したくはねぇけど、咄嗟の時手がふさがってて反応が遅れれば事故になるしケガをさせちまうことにもある。

慌てたように離そうとするみさきをグッと引き寄せて頬にキスをしてから手を離した。


「…車なのに…」

また言ってる。
車ん中ならキスはギリOKだろ。
しかも今回は口にはしてねぇのにまたすげぇ赤くなってる。
…けどちょっと笑った。


「別に誰も車の中まで見てねぇよ」

「そだね(笑)」


かわい…

みさきの照れて笑った顔ってすげぇ可愛い。
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