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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


side青峰

言ったら混乱させねぇか心配だった。

けど、俺が好きなのはみさきだってことを分かって欲しかった。


片思いだと思い込んでるみさきの反応はすげぇ可愛いし、無理矢理思い出させなくてもいいのかもしれねぇけど、俺を好きでいてくれてんのに、それが不安の種になっちまうなら少しでも安心させたかった。


俺はお前に惚れてるって知って欲しいって俺の欲求も確かにあった。


「今から俺が話すことはお前を混乱させちまうかもしれねぇんだけど…聞けるか?」

「あたしが忘れてること?」

「あぁ」

「教えてほしい。どんなことでもいいから知りたい」


俺をしっかり見てそう言ってくれたから話すことを決めた。





「軽井沢行ったってさつきから聞いたか?」

「うん」


あの日にあったことを俺は順を追って話した。

ミラノから戻ったみさきを空港に迎えに行って、あいつらと赤司のオープン前の旅館に行ったこと

みさきが酔って小麦粉まき散らした動画を火神に見せてもらったこと

屋上でカバナに寝っ転がって一緒に星を見たこと

そして俺が告って振られたこと



「あの…ごめんなさい…」

また謝ってる…
みさきは振ったらいけねぇって思ってんだろうな…


「謝るな。お前は悪いことなんて何もしてねぇだろ」

「でも、お付き合いできないって言っておきながら、今もこうやって毎日一緒にいてもらって…あたしは人を傷つけるくせに甘えてる」

「そんなこと思ってねぇ。俺はお前といたいから自分でお前といることを選んでんだ。それに、話はまだ終わってねぇ」


俯いて謝るみさきの頭をそっと撫でて話を続けた。


「その後、部屋にいた俺のところにお前が来てくれて、お前が俺を好きだって言ってくれた」

「えっ……」

「すげぇ泣いてたし小せぇ声だったけど、俺はちゃんと聞こえたし覚えてる。今まで聞いたどの言葉よりも嬉しかった」

「でも…あたし多分青峰君に嘘ついてる…」


あの時と同じ顔だ…

だけどもう話さなくていい。
全部知ってる。
お前が全部話してくれたんだから

「嘘なんてついてねぇ。16で日本にいたことも20で日本に戻ったことも全部お前の口から聞いてる」


驚かせねぇようにそっと引き寄せた肩は小さく震えてて、みさきが泣いてることが伝わってきた




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