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最愛 【黒子のバスケ】

第6章 take off


日本での仕事を少しセーブしてコレクションの資料を見たりパットと連絡を取ったりしてひたすらメイクの練習に没頭した。


どのメイクを任されてもいいようにすべてのメイクを網羅できるように

今のあたしは一分一秒が惜しい。


なのに…

この間の週刊誌への写真流出の件で呼ばれてスタジオ責任者をはじめとした関係者たちとの面談がある。

仕事じゃないのにメイクの練習時間が削られた上に何を言われるのか分からなくて胃がキリキリ痛い

もう黄瀬君のメイクは任せてもらえなくなってしまうんじゃないかって不安に襲われる


コンビニに寄って気分をすっきりさせるために炭酸を持って雑誌の前を通るとちっらと見えた大我の名前


あ、これ…
買っちゃお

大我の名前だけを見て最後の1冊だったその雑誌と炭酸水を持って会計を済ませた

憂鬱な気分を振り払うように雑誌をかばんに押し込んで局に向かった



受付で名前を告げるとすぐに会議室に通されて硬い空気の中面談が始まった。

写真の撮られた場所が駐車場が写る位置で、一切の撮影が禁止されている場所のせいか、スタジオ責任者は眉間に深いシワを入れて腕を組んで、厳しい視線をこちらに向けている。

「撮影禁止場所での撮影だけでなく、それが流出している以上こちらとしても全ての経緯を調べる必要がありますので、全て本当の事をお話ください」

「承知致しました」

私は隠さなきゃいけないような事は何もしてない。


「黄瀬さんとはプライベートでも親交があると伺いましたがどういった関係ですか?」

「私個人のプライベートについては本件には関係のないことですのでお答えしません」

どうして黄瀬君とプライベートで親交があることを知られてるのか分からないけど答える義務はない。
撮られたのは仕事で一緒にいたからでプライベートは関係ない

あたしはプライベートなことは個人的な付き合いのない人には一切喋らない

「あなたが黄瀬さんに好意を持っていて写真を持ち込ませたという見方もできますが」

「その見解には同意できかねます」

ここで違うと強く否定しても信じてもらえない可能性もある。
だから敢えて他人事のように答えた。

スタジオ責任者のあたしへの心象は最悪だと思う。

だけどあたしは、仕事で媚を売ったり取り繕ったりはしない
やるべき事は誰かの機嫌をとる事じゃない
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