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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温


「お待たせしました」

「ちょうどいい時間なのだよ。…そのぬいぐるみはラッキーアイテムか?」


そんなわけないじゃん(笑)占いすら見てないよ
それに、もしそうだったとしても3つはいらない。


「違うよ。これは抱き枕。機内と実家で使うの」

「そうか。じゃあ出発するがいいか?」

「お願いします」


制限速度厳守の真太郎がゆっくりと車を走らせて、車窓から見える景色を眺めながら膝に乗せた抱き枕を撫でた。


「みさきちゃん、その抱き枕どうして3つあるの?」

車内の空気は明るくはないけど、玲子先生が静かに話しかけてくれたから、さっき買った時のことを話すと、柔らかく笑ってあたしの緊張もほぐれていく


やっぱり3匹とも買って正解だった。

「青峰君きっと気に入ってくれるよ。大事な彼女からの贈り物だもん」

「だと嬉しいです」

あたしは青峰君がすっごく大好きですっごく大事な人だから、青峰君もあたしを好きで大事だって思ってくれたら嬉しい。




憎いくらい抱き心地のいい子犬をぎゅっと抱きしめて、空港までのゆっくりとしたドライブを終えて空港に入った。



この広い空港で、人だって少なくないけどすぐに分かる。


背が高くて広い背中と黒のキャップ、周りより少し黒いたくましい腕。


大声で呼ぶなんてことはできないけど、広い歩幅で進む青峰君に少しでも追いつきたくて自然と歩く速度が上がる。



「そんな急がなくていいだろ」

「だって青峰君が…」

「は?どこ?」

え、なんであんなに目立つ青峰君が分からないの?
大我視力悪くないじゃん。


「あそこ!あの柱のとこ」

「全然分かんねぇ。まぁ後で合流できんだろ」

今すぐ行きたいのに…
結局真太郎にも玲子先生にも分からないって言われちゃったから諦めようと思ったら、突然青峰君が振り向いて方向を変えてこっちに向かって引き返してきた。


どうしたんだろ…




こっちに歩いてくる青峰君を見てると、目はサングラスで見えないけど口元が笑った気がしたから少し手を振ってみたら手を上げてくれた。




そしてあっという間にあたしとの距離が近くなった。



「おかえり」

「ただいま?でいいのかな?」


空港だからなんて言っていいのか分からなかったけど、朝も行ってらっしゃいって言ってくれたからいつもと同じように返した
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