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最愛 【黒子のバスケ】

第16章 愛しい体温



みさきが泣いてる…

回した腕から伝わるみさきの震えた背中と呼吸。

みさきを引き寄せて頭を撫でると小さく嗚咽を漏らしながら俺に強く抱き着いてくれた


泣き止もうと必死なのか呼吸を止めたりして時々苦しそうな声が漏れる

「我慢しなくていい。泣きたいだけ泣け」


何も答えなかったけど俺がそう言うと呼吸を止めることはなくなってしゃくりをあげて泣いてる。


俺の前で我慢なんてしなくていい。

笑ったり喜んだりって表情が一番好きだけど、それ以外の感情だって見せてほい。

あの事を話した時のように感情を抑え込む必要なんてねぇ。




みさきが泣き止むまで黙って頭を撫で続けてると、少しずつ落ち着いてきて涙が止まったのかウルウルしたままの目で俺を見てる

泣いててもすげぇ可愛い…


「怖いか?」

「…うん。…でも手術がっていうより……もう青峰君に会えないのかなって…それが怖いの…突然泣いてごめんね…」


二度とみさきに会えねぇなんて考えたくもねぇし手術だってすげぇ怖い。
けど俺がそんなこと言えばみさきはもっと不安になる。


「謝るな。悪いこともしてねぇのに謝る必要なんてねぇ。泣くことは別に悪いことじゃねぇだろ」

「でも…突然泣いたら困らせちゃう」

「俺の前で我慢される方が困るし嫌なんだよ」

「うん…」


俺の前では我慢しなくていいんだってことを時間がかかったとしても分かって欲しい。
俺にとってみさきは特別な存在で何よりも大事な女だから、みさきにとって俺も特別な存在でありたい。


俺に回されてたみさきの腕が離れて、目元を少しこすって涙を拭ってから俺の胸辺りを掴んでそこに顔を埋めてる。


「みさき」

「ん?」

俺に顔を埋めたまま小さく返事を返してくれたみさきの顎にそっと触れて顔を上げさせると潤んだ目と視線がぶつかった



今は言葉よりも




みさきの体温が欲しい







みさきが嫌がればするつもりはねぇ


目を合わせたままゆっくり近づいて
鼻で鼻先をつついて



少しずつ距離を縮めていった




みさきが離れてねぇことを確認して、デカくてウルウルの目を見つめるとその目に恐怖は見えなかった




目を逸らさずに、さっきよりももっとゆっくり距離を縮めて……









_____________そっと、唇を重ねた







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