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最愛 【黒子のバスケ】

第5章 色褪せない想い


夕食には少し早いけど近所の焼肉屋さんに歩いて向かった。


美味しいっていうのはよく聞いてたけど入るのは初めて。

少し古めのお店に入ると、店主が大のバスケ好きらしく大我を見て口をパクパクさせて驚いたあと、奥から色紙を持ってきてサインをお願いされてる。


色紙なんてよくあるなって思ってたら…

「去年見に行ってA席だったのにあとちょっとのとこでサインもらえなくてねー!取っておいてよかったよ‼」

「チームどこが好きっすか?」

「そりゃ、ブルズとキャブスだよ!なんてったって日本人が活躍してるんだから応援するよ‼今年も見に行くよ!」

元気なおじちゃん


幼馴染で小さいころから一緒の大我がサインをねだられるほど有名だなんてなんか変な感じ。

サインのお礼だってサービスしてくれたのは嬉しかった。


来た時は空いてて、今日の黄瀬君のことを大我に相談したかったけど、徐々に混んできたお店で黄瀬君の名前を迂闊に出すのは危ないと判断してやめた。

締めの石焼ビビンバまでしっかり食べて、帰りにアイスも買ってもらった

「お前今日食いすぎ。腹壊すぞ」

「大丈夫だもん。食べれる時食べるの」

「それもそうだな」


歩いてる間に丁度良く溶けたアイスを家で食べながら、今日あったことを大我に話した。

「…………ってことがあって、人の恋愛に口出せるほど偉くもなんともないけど、なんかそのメイクさんが黄瀬君に変なことして美緒に影響したらヤダなって」

「ふーん。でも今のところ実際に黄瀬に接触してねぇんだろ?」

「まぁね。あたしのせいで未遂に終わったから」

「とりあえず今できることはないし、お前がそれを進藤に言って不用意に不安にさせるのもよくねーんじゃねーの?黄瀬には注意するように言った方がいいけど、あいつそんなのに惑わされて靡くほど軽くねぇし大丈夫だろ」

あ、確かに。
相手がどうだろうと黄瀬君がなびかなければそれでいいのか

あたしは最近やっと初めて人を好きになったところだから、何としてでも話したいとか接触したいって気持ちがよくわからない。

青峰さんに会いたくないのかと聞かれれば会いたい
けど自分の感情の変化にまだ戸惑っているところで、自分から積極的に行く気になれない。
20代後半で恋愛嫌いをこじらせためんどくさい私なんて絶対青峰さんの恋愛対象外だもん
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