第5章 ごめんなさい。
新居に着いた。
ユリアはエルヴィンとミケより先に部屋の鍵を開け、ドアを開けてあげた。
エルヴィンと目が合った。微笑まれて慌てて下を見る。
完全に意識してしまっている。
ユリアは部屋に入って指示をし、次の搬入物を取りに出ようとするミケに声を掛けた。
「あの、片付けられそうなものはやっていってもいいでしょうか?」
「構いません」
前髪が長く、どこを見てるか分からないが、簡潔な返答に納得してユリアはキッチン周りの収納を開始した。
声を掛け合いながら搬入していくエルヴィンとミケを背に感じながら、ちょっとだけ、ちょっとだけ自己満足の為に、わざと下着が見える格好で低い棚の下の段に物を片付けたり、高い場所には脚立で通路側に尻を向けて収納棚を設置したりした。
その間も、エルヴィンとミケは行き来する。
ユリアの身体は次第に熱くなっていくのを感じ始めていた。
「カルデリアさん」
「ひゃ!?は、はい!?」
じんわりする下半身に脚立に立ったまま意識を集中していると、エルヴィンに呼び掛けられて急いで脚立から降りた。
「ベッドの配置と向きについてお話が。来て頂けますか」
「はい、分かりました!」
ユリアは一旦手を止めてエルヴィンに着いていく。
ベッドルームに入り、ユリアがベッドの横に立ち、悩みながら配置を考える。
「んー、窓際よりも部屋の真ん中に置いて」
後ろに立つエルヴィンに話かけながら、振り返った時だった。