第17章 赤ずきんちゃん
「あ"、あっあ、あ、イく、イく、ユリア、っあ、気持ちいい、俺……っ」
グッと縄を引くと、喉を詰まらせる。
「だ、きしめ、て……くれ」
涙や唾液、体液にまみれて懇願するエルヴィンにユリアは。
「死んで償え、狼男」
そう吐き捨てて縄で強く首を絞めた。
エルヴィンが射精して身体が震えていたが、身体の力が完全に抜けた。
「……父さん、母さん、おばあちゃん……」
亡骸になったエルヴィンから腰を引き、自身の処理をして、エルヴィンの亡骸を倉庫の床下に事前に掘った穴に埋めた。
その数日後。自宅に兵がやってきた。
エルヴィンの事がバレた時には素直に応じるつもりだったが、どうやら別件らしい。
「五年前に若い女性を強姦していた男を捕らえました。証言からあなたも被害に遭われたようですが、確認の為に一緒に来て欲しいのですが」
「……そんな、狼男は私が……」
「はい?」
ユリアは頭を真っ白にさせながら、兵に着いて行った。
広場で村人と兵に囲まれていたのは、金髪で、眉の太い男。
見た目や体格など、エルヴィンと特徴は一致していたが、本当にこいつが?
ユリアが近付くと、男は笑い出した。
「よォ、赤ずきんちゃん」
ユリアはその場で泣き崩れた。
どこか心の底で募らせていた彼への愛を胸に、ユリアはその日、エルヴィンの生涯を終わらせたその手で、地下倉庫で自ら命を絶った。
-第17章 END-